ベンガルズ 25年ぶりPO勝利目前で悪夢、指揮官「悪魔払いを」

[ 2016年1月10日 19:00 ]

スティーラーズのWRブラウン(中央)の頭部に肩でぶつかるベンガルズのLBバーフィクト(右)(AP)

 NFLは9日からポスト・シーズンに突入。この日はAFC1回戦の2試合が行われ、25年ぶりのプレーオフ勝利を目指していたベンガルズ(北地区1位)は地元シンシナティでスティーラーズ(同2位)に16―18(前半0―6)で敗れ、5季連続で初戦で姿を消した。しかも信じられないミスを3度も重ねて自滅するという悪夢のようなクライマックス。プレーオフで自身7戦全敗となったマービン・ルイス監督(57)は「わがチームには悪魔払いが必要だ」とここ数年にわたって繰り返される“惨劇”を嘆いた。

 第3Qまで無得点で15点を追っていたベンガルズは第4Qに反撃。残り1分50秒、故障離脱のエースQBアンディ・ドールトン(28)に代わって終盤から先発で起用されているA・J・マキャロン(25)が、WRのA・J・グリーン(27)に25ヤードのTDパスを通して16―15と逆転した。

 しかも直後のプレーでLBボンテゼ・バーフィクト(25)が相手のパスをインターセプト。残り1分36秒の時点で相手陣内26ヤード地点という絶好のポジションをキープしたこともあって、バーフィクトはロッカールームに向かう通路へ走り込んで試合が終わったことを祝う?歓喜のパフォーマンスを行ったほどだった。

 QBマキャロンが3度ニーダウンしてもまだFGを狙える場面。ところがルイス監督はもう少し時間をつぶそうとしてラン・プレーを選択。これが裏目となり、RBジェレミー・ヒル(23)がいきなりファンブルを犯して流れが変わってしまった。

 残りは1分23秒でリカバーしたのはスティーラーズ。QBベン・ロスリスバーガー(33)は第3Qにバーフィクトにサックされた際に右肩を痛めて一時フィールドを離れていたが、最後の場面では復帰した。

 それでも自陣9ヤード地点からの攻撃。残り時間を考えれば窮地に追い込まれていた。なんとか4回のパスを通してベンガルス陣内47ヤード地点まで押し返したが、残り時間は22秒。FG圏内まではまだ15ヤードほどの距離があった。そしてエースWR、アントニオ・ブラウン(27)へのパスは失敗。試合は終わったかと思われた。

 ところがこの日のヒーローでもあったバーフィクトがキャッチに失敗したブラウンの頭部を右肩でヒットしてアンネセサリー・ラフネス(不要な危険行為)を宣告されて15ヤードの罰退。さらにCBのアダム・ジョーンズ(32)が相手のアシスタントコーチに暴言を浴びせ、アンスポーツマンライク・コンダクト(非紳士的行為)をコールされてこれまた15ヤードの罰退となった。パスは不成功に終わっているのに30ヤードも前進したスティーラーズは残り14秒、クリス・ボスウェル(24)が35ヤードのFGを難なく決めてタナボタの決勝点を手中に収めた。

 地元6万3000人のベンガルズ・ファンはぼう然。痛恨のファンブルを犯したヒルは「言葉がない。自分のミスで負けてしまった」と肩を落とし、ルイス監督は「攻守両面で自滅してしまった」と最後の場面を悔やんだ。

 スティーラーズはレギュラーシーズンの最終戦でプレーオフ出場を決め、この日は相手のミスも追い風となってAFC準決勝(対ブロンコス=西地区1位)に進出。ロスリスバーガーは「勝ちは勝ちだ。内容ではなく結果。あきらめなかったことが勝因だ」と胸を張った。

 なおチーフス(西地区5位)は敵地ヒューストンでテキサンズ(南地区1位)に30―0(前半13―0)で快勝。レギュラーシーズンから通算11連勝の快進撃でAFC準決勝(対ペイトリオッツ=東地区1位)に進出した。プレーオフでの連敗も8で阻止。94年1月16日にオイラーズ(現タイタンズ)に28―20で勝って以来、22年ぶりにポストシーズンで白星を挙げた。

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