五郎丸「ゼロからの挑戦」 レッズ決め手は“原点”と家族との時間

[ 2015年11月6日 05:30 ]

カメラの前でガッツポーズする五郎丸

 スーパーラグビー(SR)のレッズ(オーストラリア)への加入が決まった日本代表FB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)が5日、静岡県浜松市内で会見し、来年2月に開幕する世界最高峰リーグへの意気込みを示した。W杯でベストフィフティーンにも選ばれた日本躍進の原動力は、高校時代に初めての海外遠征で訪れた思い出の地から新たな一歩を踏み出す。

 あくなき向上心に加え、家族と「原点」が決め手となった。45社約130人の報道陣が集まり、テレビのワイドショーでも生中継された会見。ヤマハ発動機の紺のチームスーツに1メートル85、99キロの体を包んだ五郎丸は「ゼロからのスタート。日本ラグビーの環境を変えるという一つの目標を終え、次は新たな個人的なチャレンジ」と世界最高峰の舞台を見据えた。

 SRでは日本から新たに参入するサンウルブズでプレーする道もあったが、10月11日のW杯米国戦後にエディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチを通じてオファーを受けた。「ぜひ、やりたいと思った」と振り返り「家族と一緒に行けること」「ブリスベンは思い出の地」である点も背中を押したという。

 佐賀工3年で高校日本代表の一員として初の海外遠征で向かったのがレッズの本拠地ブリスベンだ。サンコープ・スタジアムでオーストラリア―南アフリカ戦を観戦するとともに前座試合でプレー。世界のラグビーに興味を持つきっかけになり、運命を感じたという。

 オーストラリアには夫人、2男とともに渡る予定。「妻は以前、半年くらいオーストラリアで生活したことがあり、楽しみにしている。子供たちにも、いい経験になると思う」とパパの顔ものぞかせながら「まずは試合に出ること。失う物はない。いいパフォーマンスをして、しっかりレギュラーに定着できるよう頑張りたい」とラガーマンとしての新たな決意を示した。主力FBオコナーの退団やキッカーのSOクーパーの移籍があったレッズだが、定位置が確保されているとは思っていない。「レッズは優勝した年(11年度)のイメージが強い」と五郎丸。日本の誇るスーパーブーツが、挑戦者スピリットで昨季13位からの巻き返しの使者となる。

 ▽クイーンズランド・レッズ オーストラリアのブリスベンを本拠地とし、1882年に創立されたクイーンズランド州協会を母体とするチーム。スーパーラグビーには96年(当時スーパー12)の創設年から参戦。07年にはエディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチが指揮を執ったが、わずか2勝に終わり解任された。11年に初優勝。15年シーズンは13位と低迷した。日本代表のツイ・ヘンドリック(サントリー)が所属中。本拠はサンコープ・スタジアム。

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月6日のニュース