カリー・ウェブのルーティン 大きめ「ワッグル」でスイング安定

[ 2015年11月6日 09:10 ]

ウェブのショット前の特徴的なルーティンの動き

 ラグビー日本代表FB五郎丸歩のキック前の“忍者ポーズ”が話題となり「ルーティン」が脚光を浴びている。今大会に参戦している女子プロゴルファーも正確なショット、パットを打つためさまざまなルーティンを取り入れている。そこでアマチュアにも参考になるルーティンを紹介する。第1回はメジャー7勝を誇るカリー・ウェブ(40=オーストラリア)に迫る。

 パット練習中のウェブは機械のように同じ動きを繰り返す。アドレスに入るとカップを2回見てヘッドをボールの横に置く。小刻みに足踏みをしてスタンスを決め、もう一度カップを見てストロークを始める。距離やラインが変わっても動作とテンポは変わらない。

 「ルーティンはいつも同じ。テンポやリズムも一定。コンマ1秒も変わらないと思う。だからプレッシャーがかかる場面でもうまく体が反応できる」。練習から、常に同じテンポ、動作だから重要な場面でも同じように体が動くというわけだ。

 ウェブはショット前のルーティンが特徴的。アドレスするとヘッドを50センチほど後方に引いてボールの横にセットし直す。バックスイングを途中でやめるような動き。大きめの「ワッグル」とも言える。これを1度行ってスイングを始動する。

 「20年以上前にテークバックの技術的な問題を解決するために始めた。問題が何だったかは忘れたけど。今はスイングの一部で、それなしではスイングできないわ」。ウェブはそう言って笑った。ケガの功名と言うべきか。悪い癖を直すためのワッグルがスイングをスムーズにしているのだ。

 米ツアーで3度賞金女王になり史上最年少の26歳6カ月でキャリアグランドスラムを達成したレジェンド。機械のように動作を繰り返すことでウェブは数々のタイトルを手に入れてきた。(特別取材班)

 ◆カリー・ウェブ 1974年12月21日、オーストラリア出身の40歳。94年プロ転向。米ツアー41勝。クラフト・ナビスコ選手権(現ANAインスピレーション)2勝、全米女子プロ1勝、全米女子オープン2勝などメジャー7勝。今季の賞金ランキング41位。1メートル68。

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2015年11月6日のニュース