上原、来季シード権チャンス!2人欠場で出場権「ラッキーですね」

[ 2015年11月6日 05:30 ]

繰り上げでの出場が決まり、練習前に岡本綾子(右)に声をかけられ笑顔を見せる上原彩子

 国内唯一の全米女子プロゴルフ協会公式戦で日本ツアーも兼ねる「2015TOTOジャパンクラシック~伊勢志摩~」は6日から3日間、三重県志摩市の近鉄賢島カンツリークラブで開催される。開幕前日の5日、欠場者が2人出たため米ツアー賞金ランク81位の上原彩子(31=モスフードサービス)に出場資格が繰り下がった。三重県内で行われている国内ツアーの2次予選会に参加していた上原は途中棄権して会場に駆けつけた。

 思わぬ形で出場権が転がり込んだ。インドネシアの火山噴火の影響で同国内の空港が閉鎖され、同国に滞在していたレカリとムニョスが来日できなくなり欠場が決定。賞金ランキング上位43人に与えられる出場資格が同81位の上原まで繰り下がった。本人は「ラッキーですね」と笑ったが、結構大変な一日になった。

 日米両ツアーの来季出場資格を得たいという希望を持つ上原はこの日、三重県伊賀市のジャパンクラシックCCで開催中の日本ツアー2次予選会の第2ラウンドに臨んでいた。前日までにTOTOジャパンクラシックでウエーティングの1番目に繰り上がり、欠場者が出そうだという情報を得ていたため、プレー中も「集中はしていたけど、複雑な気持ちもあった」という。

 9ホール終了後、出場権を得たとの連絡を受けて予選会を棄権。レンタカーで122キロ離れた近鉄賢島CCに向かった。車中でおにぎりを食べながら2時間かけて到着。9ホールの練習ラウンドを終えたのは日が傾いた午後4時50分だった。「こんな体験は初めて」と言うほどのドタバタでセーターを予選会会場に忘れる“うっかりミス”もあったものの「QT(予選会)の会場からも2時間で来られたし、いろんなことが良い方に回ってくれたかな」と素直に喜んだ。

 予選会を棄権したことで日本ツアーの出場資格は確保できなくなったが、この大会の成績次第で米ツアーの来季シードが得られる賞金ランク80位以内に入る可能性がある。12年には3位、昨年は4位に入っておりコースとの相性も悪くない。

 「何位とか金額といった目標を掲げるほど調子が良くないので自分が今できるゴルフをしっかりやって結果につなげたい」。逆転シード入りの千載一遇のチャンスを無駄にするつもりはない。

 ≪80位と1400ドル差≫米ツアーでは賞金ランク80位までに来季のシード権が与えられ、シーズンを通してほぼフル参戦できる。同81位~100位の選手も試合には出場できるが、メジャー大会などの資格はなく、出場試合数も限られる。上原は現在、同81位で80位の選手とは1400ドル差。今大会は予選落ちがなく単独最下位でも2708ドルを獲得できるが、上原より下位の選手も出場するため、シード圏内に浮上できるかは他の選手の成績次第だ。

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