五郎丸 日本ラグビー史上初!世界の15人に選出!

[ 2015年11月3日 05:30 ]

トップリーグ開幕に向け、意気込みを語るヤマハ・五郎丸

 五郎丸が世界の15人に選ばれた。ラグビーの国際統括機関ワールドラグビー(WR)は1日(日本時間2日)、ロンドンで年間表彰式を行い、日本代表FB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)がW杯イングランド大会のドリームチーム(ベストフィフティーン)に選出された。五郎丸は13日の開幕に向けて都内で行われたトップリーグ(TL)の会見で今季への意気込みを語り、新たに有力外国人選手が参戦する国内リーグで世界一のFBであることを証明する。また、ファン投票による「W杯最高の瞬間」部門でも、今大会の日本による南アフリカ戦での勝利が選ばれた。

 日本にラグビーブームを巻き起こした立役者の一人が、新たな栄誉を手に入れた。元選手や審判員など5人の専門家がW杯でのプレー内容やデータ、チームへの貢献度を審査したベストフィフティーンに選ばれる快挙。現役の日本代表選手が年間表彰式で受賞した例は過去にない。年間最優秀トライの候補にも選ばれていたため1週間前には授賞式の招待状が届いていたが、多忙で断りを入れた五郎丸はヤマハ発動機のジャージーに身を包んで喜びの声を上げた。

 「4年間チームとしてハードワークしてきた結果。しっかりやってきたことが報われた」

 南アフリカ戦(9月19日)では1トライを含む24得点。敗れたスコットランド戦(同23日)では前半終了間際に失トライの危機を救うスーパータックルを見せた。サモア戦(10月3日)ではチームを完勝に導き、米国戦(同11日)勝利後は男泣きで目標の準々決勝に進めなかった悔しさをあらわにした。1次リーグではランキング1位の13PG、同2位の58得点をマーク。年間最優秀トライの受賞は逃したが、初のW杯でこれ以上はない名声を手にし「世界から日本ラグビーが認められた証拠」と感慨に浸った。

 他のポジションには年間最優秀選手に選ばれたSOカーターら、そうそうたる顔が並ぶ。4強チームから11人、8強のスコットランドから1人が選出された中、1次リーグ敗退チームから選ばれたのは五郎丸ら3人だけで、その価値は高い。さらにAP通信や英紙デーリー・メールのベストフィフティーンにも選出。すでに国内シーズン後の来年2月からはスーパーラグビーのレッズ(オーストラリア)入りする見通しとなっており、もはや世界のラグビーファンで「GOROMARU」を知らない者はいない。

 14日に初戦を迎えるTLに向けては「いいパフォーマンスを見せたい気持ちが強い。W杯で活躍した海外のスター選手も参戦するので個人的にも楽しみ」と五郎丸。「世界一」のフルバックとして、今度は挑戦を受ける場にもなる。特に今季はオーストラリアのフォラウ(NTTドコモ)、南アフリカのルルー(キヤノン)、サモアのナナイウィリアムズ(リコー)と超大物FB3人が初来日。対決が注目される。

 TL開幕に向けた会見に訪れた報道陣は前年の2倍となる約200人。「日本が成し遂げた財産を感じながら、一瞬で終わらせずに19年につなぎたい」。地元開催の19年W杯を控え、日本代表のみならず、日本ラグビーを背負った15番は、舞台を国内に移しても100%のプレーを続ける。

 ▽ワールドラグビー年間表彰式 国際ラグビーボード(IRB=現WR)が01年から開始した表彰式で、毎年11月に開催。創設当初は最優秀選手、最優秀チーム、最優秀コーチ、最優秀女子選手などを表彰。07年からは最優秀トライの表彰も開始。今年は13項目の表彰が行われたが表彰式で発表されたドリームチームは公式の表彰項目には含まれていない。

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2015年11月3日のニュース