藤原「世界切符&BMW」両獲りだ!得意舞台での復活誓う

[ 2015年2月21日 05:30 ]

ゴールゲートを模したセットから登壇する藤原新

 ターゲットは世界切符だけじゃない。東京マラソンは22日、都庁前~東京ビッグサイトのコースで行われる。20日は都内で招待選手が会見し、今夏の世界選手権(中国・北京)の代表選考会を兼ねる男子では、12年ロンドン五輪45位の藤原新(33=ミキハウス)が代表入りとともに、副賞として日本人トップに贈られる高級車・BMW獲得へ気合十分。3年前、2時間7分48秒の快走でロンドン切符をつかんだプロランナーが、復活の激走を見せる。

 3年前に手に入れた“相棒”のメーターは、かなり進んでいた。「もう5万キロは走っているんで、そろそろ新しいのが欲しい」。藤原のターゲットは、東京マラソンのスポンサー・BMWが副賞として日本人トップに贈る高級車だ。12年大会では「ニューBMW328i M SPORT」(611万円)をゲット。今大会は「BMW218iアクティブツアラー M SPORT」(368万円)を狙う。

 東京の42・195キロとは相性抜群だ。JR東日本に所属していた08年大会は自己ベストを29分57秒も縮めて、日本人トップの2位に。北京五輪代表は逃したものの、一気に日本のトップクラスに躍り出た。同社を退社していた12年は無職無収入という崖っ縁の状況でスタートラインに立ち、2時間7分48秒でまたも日本人トップの2位。ロンドン五輪切符、賞金400万円、BMWをゲットし、後にミキハウスと所属契約を結ぶなど一気に成り上がった。

 昨年4月、JR東日本時代に師事した打越忠夫氏を専属コーチとして招いた。それまでは孤独に練習に取り組んでいたが、「陸上の細かいところを相談できるようになったのは大きい」と関係者は明かす。昨夏には長距離王国・ケニアで約3カ月の合宿も敢行。今月1日の丸亀ハーフでは57位に沈んだが、藤原は「練習も丸亀も忘れて、ホームランを狙う」と闘志を高めた。

 所属するミキハウスの木村皓一社長からは、激走ボーナスを示唆されている。「どんなニンジンかは分からないけど、畑にニンジンはあるみたいですね、どうも」と藤原はニヤリ。「世界選手権へのきっかけになる大会にしたい。リオにもつながるんで」。BMWもボーナスも世界切符も…。さまざまな煩悩を抱え、不屈のプロランナーが都心を駆ける。

 ▽世界選手権代表選考 枠は3。男子の国内選考会は昨年12月の福岡国際(藤原正和が2時間9分6秒で日本人トップの4位)、2月の別府大分毎日、東京、3月のびわ湖毎日。別府大分のみ日本人1位、他3大会は日本人上位3人が選考対象で大会での活躍が期待される選手が選ばれる。2時間6分30秒以内で走れば、優先的に選考される。世界選手権で日本人最上位入賞選手は、16年リオデジャネイロ五輪代表に内定。今大会女子は選考会ではない。

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