暁斗6位 飛躍4位も後半距離伸びず…荻原健以来メダル逃す

[ 2015年2月21日 05:30 ]

複合個人ノーマルヒルの後半距離のゴール前で力走する渡部暁斗

ノルディックスキー世界選手権第3日

(2月20日 スウェーデン・ファルン)
 20日の複合個人ノーマルヒルでソチ五輪銀メダリストの渡部暁斗(26)は6位、弟の渡部善斗(23=ともに北野建設)は7位に終わり、99年大会の荻原健司以来となるメダル獲得はならなかった。前半飛躍(HS100メートル、K点90メートル)でトップと27秒差の4位につけた渡部暁だったが、後半距離(10キロ)は先頭集団から終盤に引き離され、最後は12・2秒差をつけられた。優勝は5位から出たヨハネス・ルゼック(ドイツ)だった。また、19日のジャンプ女子(HS100メートル、K点90メートル)の予選で勢藤優花(北海道・旭川龍谷高)が14位、岩渕香里(松本大)が19位で20日の本戦に進んだ。

 終盤の上り坂でメダルが遠のいていった。2・5キロのコースを4周する後半の距離は、7人の先頭集団の中で最後の周回を迎えた。「五輪のときより距離の走りは確実にいい」と自信も抱いていたが、優勝したルゼックとピッティン(イタリア)のスパートにはついていけなかった。ソチ五輪で銀メダルに輝いた日本のエースは、荻原健司以来、複合の日本勢8大会ぶりの個人メダルをつかめなかった。

 前半の飛躍は悪条件にも負けずに好位置につけた。早朝から風が吹き荒れ、強風のために約3時間半も開始時間が遅れた。「アップして休んで」を繰り返すことになったが「待たされるのはみんな一緒」と平然と構え、集中力は切らさなかった。他の上位陣より風に恵まれない中でスムーズに踏み切り、しっかり粘って4位につけた。

 ソチ五輪で念願のメダルを獲得したことでオフは多忙を極め、達成感もあった。今季序盤は「反動で苦しかった」とW杯で最初に表彰台に上がったのは年明けの個人第5戦。「らせん階段を上っていくような感じ」の試行錯誤が続いたが、得意の距離で徐々に感覚をつかみ、ノルウェーでの事前合宿を経て今大会に照準を合わせてきた。「今は自分へのハードルがどんどん上がっている」と話し、周囲の期待の大きさも自覚する。26日には個人ラージヒルがある。メダル獲得のチャンスはまだ残されている。

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