森田 全豪初勝利!格上をストレートで撃破

[ 2011年1月19日 06:00 ]

ドゥルゲルを下し全豪初勝利を挙げた森田あゆみ

全豪オープンテニス 女子シングルス1回戦

(1月18日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 世界ランキング74位の森田あゆみ(20=キヤノン)が同30位のアレクサンドラ・ドゥルゲル(21=ルーマニア)を6―4、6―4で破り、全豪初勝利を挙げた。4大大会での勝利は昨年のウィンブルドン選手権以来2勝目。40歳で同56位のクルム伊達公子(エスティックTBC)は同14位のアグニエシュカ・ラドワンスカ(21=ポーランド)に最終セット4―1から逆転を許し、15年ぶりの全豪勝利はならなかった。

 堂々たる内容で全豪初勝利をもぎ取った。日本女子のエース・クルム伊達が逆転負けした直後の6番コート。森田が第27シードのドゥルゲルをストレートで撃破し、嫌な雰囲気を振り払った。試合後は「グランドスラムだからと変に意識をせず、自分のプレーを出し切れた」と満足そうな笑みを浮かべた。

 緊張せずに無心でプレーした。「ミスが増えたら勝てない。攻めるところは攻め、守るところは守れた」と振り返った通り、丁寧なプレーが光った。オフの筋力アップの成果で、ショットの力強さも増した。第1セットの最後のポイントを含め、要所では両手打ちの強烈なフォアを打ち込んだ。

 第2セットは4―1から3ゲーム連取を許しながら平静を保った。「今まで、追いつかれただけなのに自分で崩れた試合があった。経験が生きたかな」。最後は5―4から相手サーブをブレーク。両手で力強くガッツポーズをつくった。次代のエースとして期待されながらも力を出せずに競り負けてきた、かつての姿はなかった。

 丸山淳一コーチ(45)も「最後まで強気にプレーできた。森田は迷いがあるといけないが、戦術を明確に示してやれば結果を残している」と成長ぶりに目を細めた。昨季終了後のオフは2週間まったくラケットを握らなかったという。「那須(栃木県)の温泉に行ったり、友達に会ったり、料理を作ったりしていました。最近作ったのはクリームパンです」。リフレッシュしたおかげで今季はスタートから調子がいい。

 今年の女子国別対抗戦のフェド杯では日本のエース格を任される20歳。格上との練習試合でも勝利を重ねて自信を深めている。「グランドスラムでなるべく多く勝ちたい。世界ランク50位以内に入りたい」という今季の目標へ好発進。次戦2回戦の相手はワイルドカード(主催者推薦枠)で世界ランク275位のキャロライン・ガルシア(17=フランス)。4大大会では初めてとなる3回戦進出へ向け、無心のプレーを続けるだけだ。

 ◆森田 あゆみ(もりた・あゆみ)1990年(平2)3月11日、群馬県生まれの20歳。7歳からテニスを始める。05年4月に史上最年少(当時)の15歳1カ月でプロに転向。同11月に全日本選手権女子シングルスで大会史上3番目の若さで初優勝した。08年の北京五輪シングルス1回戦に18歳5カ月で勝利。世界ランキングの最高は09年7月の64位。昨年10月に楽天ジャパンオープンで優勝した。フォア、バックとも両手打ち。1メートル62、54キロ。

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2011年1月19日のニュース