快挙!石田 長距離初の表彰台

[ 2009年3月15日 06:00 ]

女子30キロクラシカルで3位に入った石田正子

 ノルディックスキー距離W杯は14日、ノルウェー・トロンヘイムで一斉スタート方式の女子30キロクラシカルを行い、石田正子(28=JR北海道)が1時間25分34秒2で滑り、自身初の表彰台となる3位に入った。日本の距離選手では昨年2月の女子スプリントで3位となった夏見円(30=JR北海道)に次ぐ2度目の表彰台だが、長距離での最高位は97年に青木富美子が2度記録した5位。長距離では初の快挙を達成した。ペトラ・マジッチ(スロベニア)が1時間25分22秒2で今季8勝、通算14勝目を挙げた。

 驚異の追い上げで金字塔を打ち立てた。12日に行われたスプリントを回避し、ここ一本に絞った30キロの長丁場。「残り3キロくらいで先頭集団に追いついた」という石田は、最後は2位のコワルチク(ポーランド)とわずか0秒3差の3位。2月の世界選手権10キロクラシカルで五輪、世界選手権を通じて日本女子史上最高の8位に入った勢いを生かし「予想してなかった。体はつらかったけど、順位を落とせないと思って頑張った」と会心のレースを振り返った。

 普段はJR北海道傘下の自動車学校で事務をする28歳。しかし、距離スキーに懸ける思いは強い。きっかけは、選手生活の総決算と考えていた06年トリノ五輪だった。入賞が期待された女子リレーで、第1走者が首位に立ちながら、第2走者の石田がスイス選手にスキーをひっかけられ転倒。チームは12位に終わり「悔しいから続けたい」と現役続行を選んだ。

 円熟味を増した今季は、W杯でも2月14日のイタリア大会の10キロクラシカルで自己最高の11位に入った。「1ケタ順位に入れれば」と言っていた石田が、この大会に向けては「5位以内には入りたい。3位に入ったら凄いことになる」と自信をつけていた。この日の快挙に満面の笑みを浮かべた28歳は「これで距離スキーも(テレビの)生放送にならないかな」とちゃめっ気たっぷりに話した。

 ◆石田 正子(いしだ・まさこ)1980年(昭55)11月8日、北海道美幌町出身の28歳。日大―JR北海道。03年から4大会連続出場となった今年2月の世界選手権の団体スプリントで夏見円(JR北海道)と組み、日本勢史上最高の4位。同大会の10キロクラシカルで日本女子史上最高の8位入賞を果たした。1メートル61、55キロ。

 ▽距離女子30キロクラシカル (1)ペトラ・マジッチ(スロベニア)1時間25分22秒2(2)コワルチク(ポーランド)1時間25分33秒9(3)石田正子(JR北海道)1時間25分34秒2

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2009年3月15日のニュース