小6・伊藤 遼くんと並んだ35位

[ 2008年2月10日 06:00 ]

石川遼と同じイーブンパーで1日目を終了した伊藤

 ハワイで新たな“王子”が出現した。ゴルフ・ローカル大会のパール・オープン第1日は8日、米ハワイ州 パールCC(6787、パー72)で行われ、日没のため192人中44人がホールアウトできなかったが、12歳の小学6年生・伊藤誠道(まさみち)が石川遼(16=パナソニック)と同じ72のイーブンパーで回り、首位と6打差の暫定35位。大人顔負けのプレーで周囲をうならせた。6バーディー、ノーボギーの66をマークした矢野東(30)が暫定首位に立った。

 上がりの9番パー4。8メートルを残したパーパットを、12歳の伊藤がねじ込んでイーブンパーでホールアウトした。芝目を読み違えると傾斜とは逆に切れる難しいグリーン。プロでも苦戦したコースで小学6年生が3バーディー、3ボギーと堂々のプレーを演じてみせた。
 現在、神奈川県藤沢市の辻堂小に通学中。4月にやっと地元の湘陽中に入学する。にきびも目立ちだした伊藤は「つまらないミスを2つした。気が抜けて集中力が切れた」と、健闘を喜ぶどころか、むしろ悔しげ。ジュニアの大会で顔見知りの石川遼については「(有名になって)今は近寄れなくなったけど優しい先輩」と話したが、同じスコアと知らされると「勝ちたいですね」と目を輝かせた。

 宮瀬博文が家族の急病で急きょ帰国し、予選会の成績で補欠リストの最上位だった伊藤に出場権が転がり込んできた。元プロゴルファーの父・一誠さんがキャディーについたこの日は、伊藤が打つたびに一誠さんが「いいぞ」「行け」など大きな声をかけて盛り上げた。一緒に回った17歳のプロ・前粟蔵(まえあわくら)は「小学生なのにうまい。うまさとお父さんの気合がかみ合っていた」とビックリ。同じく一緒に回りながら1オーバーだった“ぽっちゃり王子”古田(青森・三沢一中)は「小学生があんなに入れるのに僕はパターが入らなかった」と泣き言をこぼした。

 2歳でゴルフを始め、本格的に取り組んだのは小学2年。1日に3~4時間練習し、自宅にショットを打てるネットやバンカーもある環境で力をつけた。まだジュニア用のクラブを手にしているが、ドライバーの飛距離は大人顔負けの280ヤード。得意のクラブについて「みんな好き」と末恐ろしい。

 昨年10月、男子プロの下部ツアー「PAR72チャレンジカップ」でアマ最高成績を収めたために特別規定で決勝ラウンドを経験したが、「今度こそ予選を通過したい」と正真正銘の決勝進出に意欲を見せる。“新王子”が、どこまでプロ相手に食らいつくか注目だ。

 ◆伊藤 誠道(いとう・まさみち)1995年(平7)8月8日、神奈川県藤沢市生まれの12歳。父で元プロゴルファーの一誠(いっせい)氏の影響で2歳からゴルフを始める。4人兄弟の末っ子で姉2人、兄1人。ドライバーの飛距離は280ヤード、ヘッドスピードは50キロ。好きなプロはプレーぶりは丸山茂樹。ファンへの対応ではアーニー・エルス。1メートル60、56キロ。

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2008年2月10日のニュース