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履正社4発 ネクスト三笘だ名願弾 鋭いドリブル突破も見せた川崎F内定18歳

[ 2022年12月30日 06:00 ]

第101回全国高校サッカー第2日・1回戦   履正社4―1東邦 ( 2022年12月29日    浦和駒場 )

<東邦・履正社>後半、ゴールを決め喜ぶ履正社・名願(左)(撮影・西海健太郎)
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 1回戦15試合が行われた。W杯カタール大会日本代表FW町野修斗の母校で、2大会ぶり4度目出場の履正社(大阪)が4―1で東邦(愛知)を下し、8強入りした14年度以来となる初戦突破を果たした。川崎Fに入団するMF名願斗哉(3年)が1得点。鋭いドリブル突破が持ち味で、日本代表MF三笘薫を彷彿(ほうふつ)させる18歳が鮮烈な全国デビューを飾った。

 年の瀬とは思えない暖かい陽光が注ぐ。待ちわびた全国の舞台。履正社の10番を背負った名願は、3年間ため込んだ思いを発散するようにピッチを駆けた。新型コロナによる制約とともに過ごした高校生活。今大会から3年ぶりに声出し応援も復活した。スタンドの仲間の存在も力に変え、純粋に勝利を目指せることがうれしい。

 「みんないきいきしてプレーしていた。これからの試合も楽しんでやっていきたい」

 前半19分、FW古田和之介のゴールで先制すると、35分には敵陣深くから名願のFKを起点にMF小田村優希が2点目。点取り屋の2人が全国初ゴールを決め、エースも黙っちゃいない。後半29分、左サイドを自らドリブルで切り裂き、中央へクロスを供給。古田のシュートのこぼれ球が目の前に転がってきたところへ素直に右足を出し、ネットを揺らした。

 「ペナルティーエリアの中に相手が2、3人いるので、ドリブルでなかなか仕掛けられず(出来は)良かったとは思えない。ゴールも、正直ラッキー」

 マークされて当然だろう。1メートル80の長身ながら、華麗な足さばきやドリブル突破が持ち味。大会前から“ネクスト三笘”や“三笘2世”と形容され、注目を一身に集めてきた。過熱する周囲に踊らされることなく「三笘選手にリスペクトはあるが、自分は自分としてやっていく」と足元を見つめる。日本がドイツ、スペインを撃破したW杯カタール大会から刺激を受け「日本も世界と戦っていけると感じた。4年後、自分もあの舞台に立たないといけない」。早くも26年を見据える。

 「日本一になるために練習してきた。自信はある。あとは自分たちがやるだけ」

 この日の1勝は通過点に過ぎない。名願が階段を一歩ずつ登った先に、数々の「新しい景色」が広がっている。(八木 勇磨)

 ◇名願 斗哉(みょうがん・とうや)2004年(平16)6月29日生まれ、大阪府堺市出身の18歳。五箇荘小時代にSSクリエイトで競技を始め、G大阪ジュニアユースを経て履正社に入学。ドリブル突破とチャンスメークが持ち味で、今夏にはU―18日本代表にも選ばれた。来季から川崎Fへ入団する。1メートル80、66キロ。ポジションはMF。

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2022年12月30日のニュース