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ペレ氏 闘病続けながらW杯カタール大会でも発信「サッカーは魅力的に物語を語り続けている」

[ 2022年12月30日 05:33 ]

サッカーワールドカップ・カタール大会でペレ氏のバナーを持つブラジル代表のネイマール(AP)
Photo By AP

 サッカーの元ブラジル代表で「王様」として世界中のファンに親しまれてきた往年の名選手ペレ(本名エドソン・アランテス・ド・ナシメント)氏が29日、サンパウロ市内の病院で死去した。82歳だった。

 昨年9月に大腸腫瘍の摘出手術を受け、定期的に化学療法を受けてきたが、11月29日に再入院。今月3日には地元メディアで化学療法を中止し「緩和ケア」に移行したと伝えられたが、家族や病院は否定していた。その一方で21日には病状が進行して腎臓や心臓の機能障害でケアが必要なため、クリスマスを病院で過ごすことが発表され、24日には家族が次々と見舞いのため姿を見せていた。

 ペレ氏はがんとの闘病を続けていた最近もメッシ擁するアルゼンチンが36年ぶり3度目の優勝を達成したW杯カタールに関し、折に触れて発言していた。

 開幕前には母国ブラジルの優勝を願い「私が最後に代表のユニホームを着た時は(W杯優勝回数を示す)星が3つだった。現在は5つ。6つ目が加わるのが待ち切れない」と話していた。

 現職のリベリア大統領で95年にバロンドール(当時欧州最優秀選手)を受賞したジョージ・ウェア氏を父に持つ米国代表FWティモシー・ウェアが1次リーグ・ウェールズ戦で得点した際は同選手のインスタグラムに「おめでとう。素晴らしいゴールだった。夢を見続けなさい。夢はかなう」と祝福の言葉を投稿した。

 ブラジル代表が準々決勝クロアチア戦で敗れた際は自身が持つブラジル代表の国際Aマッチ最多得点記録77に並んだFWネイマールに対し「君の成長を見続け、毎日応援してきた。ついに私の得点数に到達したことを祝福できる。残念ながら最も幸福な日ではなかったが。これからも我々に希望を与えてほしい。君がゴールを決めるたびに、私は歓喜の拳を突き上げるよ」とメッセージを送った。

 また、アルゼンチンが優勝を決めた際にも「アルゼンチン、おめでとう。ディエゴ(マラドーナ氏)も笑顔のはずだ」と祝福。初めてW杯を制したFWメッシや決勝でハットトリックを達成したフランスのFWエムバペ、アフリカ勢初の4強入りを果たしたモロッコにも言及し「サッカーはいつものように魅力的に物語を語り続けている。サッカーの未来を映し出す光景を見られたのは何と素晴らしい贈り物だったことか」と振り返った。

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