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神戸 再出発飾った、武藤ヘッド2発 吉田新監督3度目の“初陣”で快勝 奇跡残留への第一歩

[ 2022年7月3日 06:00 ]

明治安田生命J1第19節   神戸2―0鳥栖 ( 2022年7月2日    駅スタ )

<鳥栖・神戸>後半、先制ゴールを決め山口(手前)と抱き合う神戸・武藤
Photo By 共同

 明治安田生命J1第19節は2日、9試合が行われ、最下位の神戸は敵地で鳥栖を2―0で下した。元日本代表FW武藤嘉紀(29)が2得点の活躍。通算3度目の就任となった吉田孝行監督(45)の初陣を3試合ぶりの勝利で飾った。

 試合終了の笛が鳴った瞬間、神戸の吉田新監督は小さく手を3回叩いた。3度目の“初陣”で自身初の白星発進だ。「非常に苦しい戦いだったが、全員がハードワークして勝ち取った勝利。なかなか得点が取れなかったが、焦れずに戦ってくれた」と安どの表情を浮かべた。

 立役者は武藤だ。0―0の後半34分、右からのクロスにヘッドで合わせて先制点を奪うと、後半アディショナルタイムには左からのクロスを再び頭で叩き込んだ。「自分のゴールで勝利に貢献できて良かった」と、こちらも安どの笑みだった。

 6月29日にロティーナ監督との契約を解除。鳥栖戦までに与えられた準備期間は、わずか3日だけだった。その中で指揮官はメンタルと攻撃の改善に着手。試合前には選手に「体力を余すことなく、この試合に全てを出してくれ」と熱く伝えた。ニアサイドで大迫が相手DFを引きつけたことが武藤の2得点を呼び込んだように、敵陣エリア内に複数選手が入り込むなど、常にリスクをかけた攻撃を求めた。守護神には足元に優れるGK飯倉を4月2日の京都戦以来のスタメンに抜てきした。最後尾からの積極的なビルドアップで、前線を活性化させた。

 まだ1試合。まだ崖っ縁。だが、それでも、かつて“バルセロナ化”を求めた攻撃スタイルの一端は見せた。イニエスタは「イメージを共有することが大事。勝ちを積み重ねることで違いを生み出そうと思っている」と強調する。次戦は17位の清水が相手だ。今季初の2連勝を手にすれば、最下位から脱出できる。奇跡の残留へ、ここから加速していく。(飯間 健)

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2022年7月3日のニュース