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鎌田が“王様復権”弾 W杯へ欧州L王者の自信、日本4発圧勝貢献 インサイドハーフで新章幕開け

[ 2022年6月3日 05:05 ]

国際親善試合   日本4-1パラグアイ ( 2022年6月2日    札幌ド )

<日本・パラグアイ>前半、ゴールを決める鎌田(撮影・光山 貴大)
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 日本代表は2日、札幌ドームでパラグアイ代表と対戦し、4―1で快勝した。FW浅野拓磨(27=ボーフム)、MF鎌田大地(25=Eフランクフルト)らがゴールを決めて南米の強豪を圧倒し、W杯カタール大会(11月21日開幕)出場決定後、初の国際試合を白星で飾った。初招集のDF伊藤洋輝(23=シュツットガルト)もデビュー戦で攻守にアピール。次戦は6日に東京・国立競技場でブラジル代表と対戦する。

 鎌田の喜びは少し控えめだった。昨年11月以来、約6カ月ぶりの代表復帰。本格化したW杯に向けたサバイバルへ、前半42分の一撃は自身にとっても待望の瞬間だった。周囲の味方に祝福された背番号9は、はにかんだような笑顔を見せた。

 「(田中)碧と守田君よりは攻撃的な選手だし、僕らが出て攻撃力が上がらなかったら意味がない」

 かつて日本代表の4―2―3―1のトップ下で輝いた“王様”が、4―3―3で復権した。インサイドハーフで足元の技術と戦術眼を生かしたポジショニングを武器にひょうひょうとプレー。それでもチャンスとなると爆発した。堂安の右クロスに飛び込み、頭で合わせてゴールネットを揺らした。今季Eフランクフルトで司令塔として欧州リーグ制覇に貢献。全13試合出場でチーム最多の5得点を挙げた嗅覚が光った。

 「インサイドハーフがあそこに入っていかないとダメだと思った。4―3―3の強いチームはインサイドハーフがあそこに入っていって得点をしているイメージがあったので、自分も入っていった」

 後半24分には得点にはつながらなかったが、裏への鋭い飛び出しでPKを獲得。さらに37分、ドリブルで仕掛けてペナルティーエリア内に進入し、フェイントを織り交ぜながら相手DFを翻弄(ほんろう)してシュート。独特のリズムで脅威になり続けた。

 4―2―3―1中心だった過去の出場全16試合のうち、先発10試合は1トップかトップ下。W杯アジア最終予選途中から採用されたトップ下を置かない新布陣4―3―3でポジションを失い、メンバーからも外れた。それでも自信は失わなかった。所属クラブでは32試合に出場して4得点3アシスト。むしろ守備面で手応えをつかむなど進化していた。

 メンバー争いが激化する中、自分の色をしっかりと出してアピールに成功。次に見据えるのは6日のブラジル戦だ。FIFAランク1位の相手に真価を発揮できるか。欧州で文句なしの実績を積んだ“王様”の新章が幕を開けた。

 ◇鎌田 大地(かまだ・だいち)1996年(平8)8月5日生まれ、愛媛県伊予市出身の25歳。G大阪ジュニアユース―京都・東山高―鳥栖を経て17年6月にEフランクフルトに完全移籍。1季目は出場3試合にとどまり、翌18~19年はシントトロイデンに期限付き移籍。34試合15得点と大活躍し、1年で復帰した。今季の欧州リーグではチーム最多の5得点を挙げ優勝に貢献。20歳の弟・大夢(ひろむ)はJ2仙台に所属。1メートル80、72キロ。

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2022年6月3日のニュース