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サッカーのウクライナ2部クラブから選手14人が従軍 地元メディア「ほぼチーム全体が軍に加わった」

[ 2022年4月18日 11:15 ]

 サッカーのウクライナ2部リーグで活動するプリカルパティアの選手14人がコーチらとともに従軍していると複数の地元メディアが17日に報じた。「ほぼチーム全体が忠誠を誓い、軍に加わった」と伝えるメディアもある。

 ウクライナの国内リーグはロシアの侵攻を受けて中断。6月1日にスコットランドとのW杯欧州予選プレーオフA組準決勝を控える代表チームは今月29日からの合宿を控えて招集メンバーが発表されている。多数の代表選手を抱える1部の強豪シャフタル・ドネツクとディナモ・キーウ(キエフ)は欧州各国で母国支援のための慈善試合を行うなど活動を再開しているが、国内リーグは再開のめどが立っていない。同国西部イバーノ・フランキーウシクを本拠地とするプリカルパティアは2部16チームの中で7位につけている。

 今回の従軍に関し、当初は軍事訓練を受けていない選手が「足手まといになる」との理由で消極的だったという。MFツツラは「地域の選手がプロに混じってプレーするようなもので妨げになる。何もできない」と感じていたというが、司令官から基礎から徐々に訓練すると説明を受け、参加を決断。「機関銃を与えられ、どう分解して手入れをし、射撃するのか学んでいる。当番で警備に出ている」と状況を説明した。

 ロシアの侵攻後、ウクライナでは多数のアスリートによる従軍活動が伝えられ、サッカーでも1部ドニプロ―1はユーリ・ベレザ名誉会長がクラブ名と同じ部隊を組織。複数の選手が練習場を使って訓練を受けていると報じられてきたが、試合に必要な11人を上回る大量の選手が同時に参加した例はないとみられる。

 ウクライナ・サッカー協会のパベルコ会長は「チームに感謝している。ウクライナのサッカー史にとって重要な瞬間で世界への手本になる。ウクライナのサッカー界は軍とともにある」と歓迎しているという。

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2022年4月18日のニュース