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【森保ジャパン苦闘の2021年総括】ワンパターン采配 柔軟さ欲しい 厳しい検証不可欠

[ 2021年11月18日 05:30 ]

<日本・オマーン>後半、(右から)中山、古橋をピッチに送り出す森保監督(左)=撮影・小海途 良幹
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 森保ジャパンはW杯アジア最終予選B組2位となって年内の活動を終えた。苦闘が続いた2021年。サッカー担当キャップがこの一年を総括した。

 16日のオマーン戦後半から「三笘」のカードを切った時、今回のW杯最終予選を通じて初めてワクワクする感覚を覚えた。思えば初戦のオマーン戦にホームで黒星発進して以来、森保監督は進退問題と隣り合わせ。先発には毎回、おなじみの名が並び、戦いぶりはより保守的になっていた。息苦しさが拭えなかった。

 交代カードはいつもワンパターン。直近では左SBの長友→中山の交代が4戦連続、終盤には浅野、古橋を投入するのが“トレンド”だ。敵将からすれば全て想定内のはずだ。前田、上田ら勢いある選手のベンチ外がネット上で「トレンド入り」しているのはどう見ても異常事態だ。

 柔軟性が見えたのは6戦中2戦。先月のオーストラリア戦では4―3―3布陣が的中。オマーン戦ではハーフタイムに吉田と相談後、4―2―3―1に戻し、三笘起用も当たった。常に崖っ縁に追い込まれてから初めて「動く」ように見えるが、森保監督らしからぬ柔軟な采配が勝利に直結した。

 11月の2試合は連勝以外、森保監督の進退問題は避けられなかった。大迫、長友ら実績あるベテラン陣を重用し過ぎている点も息苦しさに拍車をかけている。今後、技術委員会での厳しい検証は不可欠だ。指揮官が続投することで日本代表の成長が停滞してしまっては本末転倒。W杯切符をつかんでもこのままではワクワクする感覚とは程遠い。(サッカー担当キャップ)

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