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三笘 A代表初陣で伊東に決勝アシスト、後半投入でドリブル突破続々 流れ引き寄せた

[ 2021年11月18日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組   日本1―0オマーン ( 2021年11月16日    マスカット )

<日本・オマーン>後半、次々にドリブルで仕掛けていく三笘(右から3人目)=撮影・小海途 良幹
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 7大会連続のW杯出場を狙う日本代表は16日、初戦で敗れた因縁の相手オマーンと敵地で対戦し、1―0で勝利した。後半から途中出場し代表デビューを飾ったMF三笘薫(24=サンジロワーズ)が得意のドリブルで停滞していた流れを一気に変え、36分にMF伊東純也(28=ゲンク)の2戦連発となる決勝弾をアシストした。チームはこれで3連勝。勝ち点を12に伸ばし、オーストラリアを抜き自動的に本大会出場権を得られる2位に浮上した。

 誰もがその瞬間を待っていた。そして三笘はその期待に見事に応えてみせた。後半開始。指揮官から「どんどん仕掛けろ」と送り出された背番号13は、その約20秒後のファーストプレーでいきなり得意のドリブルで左サイドを突破。相手DF陣を慌てさせると、一気に流れを引き寄せた。同36分には伊東の決勝点をアシスト。窮地のチームを救い「勝利に導けるアシストができたのは満足している」と振り返った。

 昨年60歳でこの世を去ったアルゼンチンの英雄、ディエゴ・マラドーナさんのビデオをすり切れるまで見た幼少期。生まれ持った類いまれなる才能は、川崎F、サンジロワーズでも最初は切り札として発揮され、やがて中心選手に成長。A代表でも攻撃陣の軸としての活躍が期待される。デビュー戦でも気負いはなかった。

 筑波大時代も海外からのオファーがあり、恩師で筑波大の小井土正亮監督も「海外に行く気ないのか?」と聞いたことがあった。それでも本人は「卒業して1年目は五輪があるので、国内でまず結果を残したい」ときっぱりと断ったという。一度決めたら曲げない信念の強さ。東京五輪は1得点と消化不良に終わったが、才能と努力で磨き上げたドリブルを、W杯予選初出場という舞台でも存分に発揮した。

 「全くW杯は考えていない。まだまだ厳しい戦いはある。まずは残り4戦、勝ち切ることしか考えていない」。決定力不足に泣いた森保ジャパンがようやく切った“三笘”というカード。7大会連続のW杯出場へようやく視界が開けてきた。

 ◇三笘 薫(みとま・かおる)1997年(平9)5月20日生まれ、川崎市出身の24歳。6歳時にさぎぬまSCでサッカーを始め、小3で川崎Fの下部組織入り。ユースまでプレーし、筑波大に進学。17~19年に3年連続で関東大学1部リーグのベストイレブン。17年に川崎Fの特別指定選手となり、昨季は13得点12アシストでベストイレブンに選出された。東京五輪出場後の今夏にプレミアリーグのブライトンに完全移籍し、今季はベルギー1部サンジロワーズに期限付き移籍。1メートル78、72キロ。利き足は右。

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