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梅山修氏 J2新潟、北九州戦の守りは危なげなかったが得点欲しい終盤に課題

[ 2021年9月7日 05:30 ]

明治安田生命J2第28節   新潟0―0北九州 ( 2021年9月4日    デンカS )

北九州戦でボレーシュートを狙う新潟・鈴木
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 【元アルビ・梅山チェック】前節アウェー水戸戦での敗戦を踏まえ、「戦えるチームであることを証明したい」と試合前にアルベルト監督が話していたホーム北九州戦はスコアレスドロー。得点こそ奪えなかったものの、相手陣内でのプレー時間は長く、意図的につくり出したシュートシーンも少なくなかった。ボール保持率63%でシュートは15本(相手は4本)という数字が、どれだけ相手を押し込んでいたかを裏付ける。

 それを可能にしたポイントは3つ。1つは相手を揺さぶるサイドチェンジ。特にCB(センターバック)の舞行龍と早川から左右に繰り出された長短のパスは、サイドに誘導して奪おうとする相手の逆を突き、クロスの起点になっていた。またこの深い位置への配球によって相手のSH(サイドハーフ)も自陣深くまで戻らざるを得ず、相手の狙いの一つでもあったカウンターのパワーを奪う効果にもつながっていた。

 2つ目は、ダブルボランチの危機管理。サイド深く進入してのクロスが多くなるということは、はね返されてカウンターを受けるリスクも高まる。しかし、こぼれ球や相手がつなごうとした短いパスは、そのほぼ全てを高と福田のダブルボランチが相手陣内のうちにカットしていた。

 3つ目は、一人一人の距離感。ボールを保持しながら攻撃的な戦いを志向する新潟にとって最大の肝である。それはもちろんボールを保持するためであり、サッカーで最も得点が生まれやすい、奪い返した瞬間のショートカウンターのためでもある。

 このようにボールを保持して攻撃し続けることが、つまり守備をしていることになるという理想的な試合の進め方ではあった。

 ただ、得点が欲しい終盤に高沢、鈴木、谷口らストライカーを前線に並べることがよく見られるが、それぞれの役割と配球の仕方はチームで共有する必要があるだろう。

 次節は再びホームで山形を迎える。山形は縦に速く攻撃的なので、引いて守るチームよりも新潟にとっては戦いやすい相手といえる。ここで勝ち点3をとって浮上への足掛かりにしたい。(元アルビレックス新潟DF)

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2021年9月7日のニュース