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なでしこ岩渕 澤も高倉監督も超えた日本女子最多5戦連発!起死回生の同点弾でドロー発進

[ 2021年7月22日 05:30 ]

東京五輪 女子サッカー1次リーグE組   日本1―1カナダ ( 2021年7月21日    札幌ドーム )

<日本・カナダ>後半、ゴールを決め喜ぶ岩渕(撮影・西海健太郎)
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 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は21日、1次リーグ初戦のカナダ戦を1―1で終え、ドロー発進となった。前半6分に先制を許したが、後半39分、エースFW岩渕真奈(28=アーセナル)が起死回生の同点ゴール。日本女子最多となる5戦連続得点を決め、無観客の札幌ドームに歓喜の輪が広がった。次戦は24日、FIFAランク6位の英国と対戦する。

 エースが起死回生の一発を決めた。0―1の後半39分、長谷川からの縦パスに抜け出した岩渕は、相手DFを一瞬のスピードで振り切り、最後は右足でゴール右隅に流し込んだ。かつて澤穂希がつけた背番10を託されたエースが日本史上最多を更新する5戦連発弾。無観客の札幌ドームに日本選手の歓喜の声が響いた。

 試合前に分析コーチからは「相手CBは裏が弱い」と言われていたようで、チームを敗戦危機から救う貴重な同点弾を「チーム全員の気持ちが乗ったものだった」とホッとした表情で振り返った。

 自身2度目の五輪。特別な思いを持って臨んでいた。11年W杯ドイツ大会で初優勝に貢献するなど輝かしい実績を誇る一方で、五輪では悔しい思いばかりしてきた。銀メダルを獲得した12年ロンドン大会の決勝、米国戦。1―2の後半32分から出場すると、同38分には絶好機でシュートを外し、チームも敗れて号泣した。当時のシュートシーンは、今もパソコンの壁紙に設定するなど悔しさは忘れていない。続く16年リオ五輪では、内側側副じん帯を負傷し満足なプレーができず、チームもアジア最終予選でまさかの敗退。それだけに今大会に懸ける思いは人一倍だ。

 試合後の会見では、何よりPKを外したチームメート田中の心情をおもんぱかった。「思い切って蹴ってね」とキッカーを譲ったことを明かした上で「PKについては取り上げてもらいたくない。記者の皆さんもポジティブにお願いします!」と異例のお願い。それも全てはチームのため、今大会に懸ける強い思いからだった。

 「“やっぱり凄かったんだね”って言われるくらいの活躍をできるように頑張りたい」。白星発進とはならなかったが、ゴールは決めた。次なる相手はさらに強敵。今度はチームを勝利に導く6戦連続弾を決める。

 ◇岩渕 真奈(いわぶち・まな)1993年(平5)3月18日生まれ、東京都武蔵野市出身の28歳。10年の東アジア選手権で当時16歳ながら代表デビュー。11年W杯ドイツ大会優勝、12年ロンドン五輪準優勝メンバー。現在はイングランド1部リーグのアーセナルに所属。代表では大会前に背番号10を託される。A代表通算78試合、36得点。

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