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川口能活GKコーチ シュートの嵐も楽しめる「遊び心」が必要

[ 2021年5月27日 05:30 ]

ポイチの参謀 ONE TEAM(4)

川口能活GKコーチ
Photo By スポニチ

 “マイアミの奇跡”を経験した川口能活GKコーチ(45)だからこそ、五輪世代の守護神たちに送ることのできるエールがある。

 「攻められることを楽しんでほしい。練習試合と本番では全くプレッシャーが違うので、そういったものを全て楽しめる遊び心も必要になる」

 「遊び心」は力みをほぐし、積み上げた力をそのまま出せる要素となる。96年のアトランタ五輪、ブラジル戦。川口氏は28本ものシュートを雨のように浴びながらも無失点に抑え、かの歴史的勝利の立役者となった。

 「試合の時間がたつにつれて守りのリズムができた。彼らのシュートをキャッチする、あるいははじき出す成功体験からアドレナリンがどんどん出てきて、相手の動きがよく見えた」。その中で判断もクリアになっていく。「いいイメージで守れたことで、その瞬間を楽しめた」と表現する。

 五輪のパフォーマンスは、自身も97年のW杯予選で初のW杯出場に導く自信となったように、「明るい未来を開けるか開けないかの登竜門」となる。だからこそ選手には「今まで積み上げてきたものを迷うことなく発揮してほしい」と願う。

 18年に現役引退してから2年半。五輪世代の指導者になることは「本当に夢にも思っていなかった」ことだった。「選手たちの取り組む姿勢とクオリティーの高さに感銘を受けて、彼らの力になりたいという思いは本当に強くなった。金メダルを獲るという目標に向かって何の迷いもなくプレーできるようにサポートしたい」。選手を守り抜く覚悟がにじみ出た。=終わり=

 ◆川口 能活(かわぐち・よしかつ)1975年(昭50)8月15日生まれ、静岡県出身の45歳。94年に清水商高(現清水桜が丘高)から横浜M入りし、イングランド2部ポーツマス、デンマークのノアシェラン、磐田、J2岐阜を経て18年にJ3相模原で現役引退。98年からW杯4大会連続で代表入りし、国際Aマッチ116試合出場は日本代表GK最多。19年9月の北中米遠征で五輪世代の活動にGKコーチとして初参加。家族は妻と1女1男。

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