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福岡 “周期”通りの5季ぶりJ1復帰!就任1年目の長谷部監督「全員でつかんだ昇格」

[ 2020年12月17日 05:30 ]

明治安田生命J2第41節   福岡2-0愛媛 ( 2020年12月16日    ニンスタ )

<愛媛・福岡>J1昇格を決め喜ぶアビスパ福岡イレブン
Photo By スポニチ

 福岡が敵地で愛媛に2―0で勝ち2位以上を確定させ、5年ぶりのJ1復帰を決めた。

 過去に2005年、2010年、2015年と5年周期でJ1復帰を決めてきたアビスパ。今年は5年に1度の昇格年にあたる。気温4度と底冷えする愛媛の夜で、その験のよさは2020年も守られた。

 試合後、選手たちは長崎の試合結果を知り昇格が決まると、寒さを吹き飛ばす熱量で喜びを爆発させ、長谷部監督の元へ駆けよった。

 歓喜の輪の中心にいた指揮官も、目を赤くしていたが「泣いていませんよ」。昨季16位に沈んだチームを就任1年目で立て直した。「選手が声援にも押され、よく走ってくれた。全員でつかんだ昇格」。この日も2得点、無失点の完璧なゲーム。持ち味の堅い守りも貫いた選手たちをねぎらった。

 前半、10月に山形から移籍した山岸が先制点を奪った。「ずっと言い続けてきて昇格を決めてホッとしている。来年J1でやれるのが楽しみで仕方ない」。アディショナルタイムには、エース遠野が3戦連発となる技ありゴールで追加点。コロナで離脱の苦しい時期もあった主将の前は「この日のためにやってきたのでそれが報われた。みんなと喜びを分かち合えてうれしい」と目を潤ませた。

 昨季率いた水戸をクラブ最高順位の7位に導いた手腕を請われ、就任した指揮官は「アグレッシブな攻守」をモットーに、シーズン前に明言した「勝ち点81でJ1昇格」を実現した。「最後に同点に追いついたこの試合が転機になった」と振り返る第16節の千葉戦終了時点で17位。首位・長崎と勝ち点差が17あった。そこから12連勝で一気に昇格圏へ昇った。DF三国をFWで起用する思い切った采配もみせてきた。

 コロナ禍のシーズン。医療従事者やサッカー関係者への深い感謝も口にする。前例のない過密日程を勝ち抜いた力は本物だ。
 9月を8勝1分けでJ2優秀監督賞を受賞。レギュラーを固定せず試合ごとに選手を選考した。途中出場や久々の先発出場をつかんだ選手たちが競うように結果を出した。

 信条は「勝ち点を取れるのがいい監督」。ぶれない姿勢で福岡を5年ぶりにJ1へ復帰させた。「あの人が来たら勝ち点取れるよね、そういうふうに言われるようになりたい」。川森社長は卓越した手腕に続投を要請した。今、理想の監督へ一歩近づいた。

 ◆アビスパ福岡 1982年(昭57)、静岡県藤枝市で創部された中央防犯サッカー部が前身。94年に中央防犯藤枝ブルックスに改名し福岡市に移転後、福岡ブルックスに改名。95年JFLで優勝。96年Jリーグ加盟。アビスパ福岡に改称。01年、J2降格。以降はJ1昇格とJ2降格を5年ごとに繰り返した。J1昇格を決めたJ2シーズンは05年、10年、15年、20年。チーム名はスペイン語で「クマンバチ」の意味。

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2020年12月17日のニュース