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【神尾光臣通信員 現地リポート】コロナ感染者出させない ユトレヒトの心遣い

[ 2020年10月10日 06:20 ]

男子サッカー国際親善試合   日本0―0カメルーン ( 2020年10月9日    オランダ・ユトレヒト )

ユトレヒト・ハルヘンワールド・スタジアム内の施設案内も日本vsカメルーン戦仕様に(撮影・神尾光臣通信員)
Photo By スポニチ

 「熱はないわ。つまりあなたは元気ってことよ」。スタッフの女性が笑う。会場のハルヘンワールト・スタジアムでは新型コロナウイルスによる感染対策が細かく、また丁寧になされていた。

 プレスルームに入れば、机がまるで日本の小中学校の教室のように離され、記者同士は向き合わない。ビュッフェ方式の食事は提供できず、机にはランチボックスが置かれた。スタンドでも間隔を空けたが、“密”を心配しなければならないほど人はいない。記者は8人、カメルーンのチーム関係者も15人ほど、外国の記者はいなかった。

 私の住むイタリア・ミラノのサン・シーロスタジアムは体温のほか、血中酸素濃度まで計測される。そこまでの厳格さはないが、マスクを着ける人の割合が、ミラノよりはるかに少ないユトレヒトの街と比べると、スタジアムは感染者を出させまいとするスタッフの心遣いがより伝わった。

 自国と関係のない代表チームだが、手伝った下部組織の少年の表情にはサッカーに携わる喜びがあった。コロナ禍で失われた日常を取り戻そうとするのは、ユトレヒトの人たちも同じなのだ。

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2020年10月10日のニュース