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リバプール・南野、世界一クラブで日本人が先発するなんて!夢の70分間にクロップ監督「気に入った」

[ 2020年1月7日 05:30 ]

FA杯・3回戦   リバプール1―0エバートン ( 2020年1月5日 )

リバプール初陣の南野拓実(AP)
Photo By AP

 1日付でリバプールに加入した日本代表MF南野拓実(24)は5日、ホームのアンフィールドで行われたFA杯3回戦エバートン戦でデビューを飾った。3トップの中央で先発し、後半25分まで約70分間プレー。ゴールは生まれなかったが、ユルゲン・クロップ監督(52)は高く評価し、英紙も特集記事を掲載。今季のクラブW杯を制した“世界最強チーム”に挑戦する日本の若き天才に、世界の注目が集まっている。

 待ちに待った瞬間が訪れた。南野が“世界一”のユニホームに袖を通し、本拠のピッチに足を踏み入れた。FA杯3回戦エバートン戦で先発し、約70分プレー。一夜明けた6日、英高級紙インディペンデントは「将来性が詰まっていた」との見出しで「これがデビュー戦だと感じさせなかったことが最大の賛辞かもしれない。クロップ監督がなぜ契約したのかを容易に理解できた」と報じた。

 若手中心のメンバーで、3トップの中央を任された。チームは負傷者が少なくなく、ブラジル代表FWフィルミノやエジプト代表FWサラーはメンバー外。セネガル代表FWマネはベンチ入りしていたが、南野にとって絶好のアピールのチャンスだった。

 「攻撃では自分のスペースを見つけて、顔を出して、それを続けていけばチームメートは分かってくれると思う」

 相手DFとMFの間のスペースに下がり、何度もパスをさばいてリズムをつくった。さらにゴール前にも顔を出し、前半34分には決定機。左クロスを頭で合わせ切れず、「ピッチの上で何かを示さなければいけなかったと思う。やっぱりゴールかアシストっていう結果を残したかった」と悔やんだ。

 途中交代を告げられた時のサポーターは、スタンディングオベーションだった。「(雰囲気は)最高ですね。サッカー選手として、これ以上ないスタジアムだと思うし。(リバプールの)ダービーでファンも熱かったし、勝ててよかった」。ベンチに戻る際にはクロップ監督と握手、そして抱擁を交わした。

 指揮官は獲得を熱望していたことを改めて明かし「スーパー・アウトスタンディング(極めて優れていた)」と称えた。南野がザルツブルクから移籍し、トレーニングに参加できたのは数度。その点にも触れ「彼のサッカーへの理解力と技術は素晴らしい。姿勢も非常によかった。さまざまな局面でプレスを先導するプレーもできていた。私はとても気に入った」と話した。

 世界トップレベルの選手をそろえるクラブで、定位置確保は容易ではない。本当の戦いはこれから始まる。それでも南野は、一歩をしるした。若き天才の本当の挑戦が、ついに始まった。

 ◆リバプールFC 1892年創設。本拠地は英国北西部マージーサイド州リバプール。イングランドのトップリーグでマンチェスターU(20回)に次ぐ優勝18回を誇る名門だが、最後の優勝はフットボールリーグ時代の89~90年。昨季は就任4季目のクロップ監督の下、欧州CLで6度目の優勝を飾った。FA杯優勝7回、リーグ杯優勝8回。チームカラーは赤で、愛称はレッズ。ホームスタジアムはアンフィールド(5万3394人収容)。

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2020年1月7日のニュース