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森保ジャパンの“新味”北川、長友の言葉で取り戻した自信

[ 2019年1月17日 08:30 ]

ボール回しの練習でパスを出す北川(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 途中出場した第1戦は失点に繋がる痛恨のボールロスト。大迫(右臀部痛)の代役として1トップで先発した第2戦はボールに絡めず、後半12分に途中交代――。まだ日本代表では新参者の22歳が肩を落とすのも無理のない状況だった。だがFW北川航也は上を向いていた。アジア杯1次リーグ第3戦のウズベキスタン戦を翌日に控えた16日、目には力強さが宿っていた。

 きっかけは先輩DF長友の助言だった。第2戦オマーン戦の後「この2試合はどうだった?」と声をかけられ、北川は「1試合目のミスを引きずってます」と正直に答えた。すると長友はこう続けたという。「誰でもミスはする。岡崎(慎司)も本田(圭佑)も、俺もたくさんのミスをしてここにいる。チャレンジしてのミスは前向きに捉えればいい。ミスを恐れたら、体が硬くなる」と。

 目から鱗(うろこ)が落ちる思いだった。この2試合、完全にミスを怖がり、体が萎縮していた。元々、岡崎慎司に憧れ、クロスへの対応、裏への飛び出しを得意とするタイプだ。「FWなのでボールが来ないと仕事はできない。パスの要求はもちろん、自分が試合を決める、という気持ちも出していきたい」。長友の言葉で吹っ切れたのか、ウズベキスタン戦について語る口調はまるで別人のようだった。

 過去のアジア杯をみても優勝チームには必ず大会中にサブ組の台頭があり、ラッキーボーイの出現があった。大迫が決勝トーナメントでは復帰の見込みもコンディションには不安を残す。ここまで出場2戦、まだ無得点の北川だが「フラストレーションは全然ない。チームが勝てばいいと思っている人なので。自分に2枚相手が付いているから味方がシュートを打てている自負もある。味方を生かし、自分も生かされればいい」と話す。

 FWの性格としてはいささか人が良すぎるのでは?と危惧したくなる好青年ぶりだが、これも個性の1つか。長友の言葉で息を吹き返しつつある22歳。大迫とはまた違った味で森保ジャパンの前線を活性化させて欲しい。(牧野 真治)

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2019年1月17日のニュース