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反町監督、昇格請負人だ!相手を徹底研究“IQサッカー”結実

[ 2014年11月2日 05:30 ]

J1昇格を決めイレブンから胴上げされる反町監督

J2第39節 松本2―1福岡

(11月1日 レベスタ)
 何度も時計に目をやっていた反町監督が、腕組みを解き、手を叩いた。サポーターから「反町、男前!」コール。会見では遠征のバス運転手をはじめチームを支える多くの人々への感謝を述べ「アカデミー賞監督賞の受賞あいさつみたいになってしまった」と笑った。

 J2昇格1年目の12年に就任。清水ヘッドコーチなど複数のJ1クラブからオファーが届く中で「あえてチャレンジャーでトライしたい」と決断した。「みんな“やめろ”と言った。だから引き受けた。俺はあまのじゃくだから」。しかし、チーム状態は想像以上に悪く、選手にたばこの有害性を説くことからスタート。遅刻する選手もいた中で規律を植え付け、走力強化に努めた。「ヒエラルキーをつくりたくない」と主将は置かずに競争を促進した。1日は「日本で一番苦しい練習をしてきたんだから自信を持て」とピッチに送り出した選手が期待に応え、後半12分に船山が先制弾。26分に山本が速攻から加点した。進撃を支えた堅守で1失点にしのぎ、勝利で昇格を決めた。

 緻密な戦略で勝ち点を重ねた。敵のストロングポイントを消すため研究を欠かさず、相手情報を伝える地方紙の記事にもアンテナを張った。試合2日前の練習は非公開で対策に時間を割き「犬の散歩が怪しい」とスパイまで警戒した。今季は前節終了時のデータで1試合平均のパス本数341・2本は22クラブ中最下位だが、シュート数12・9、得点1・5はともに3位。オウンゴールを除く56得点のうちセットプレーからリーグ最多の30得点を挙げ、勝負強いチームをつくり上げた。

 続投要請を受け、来季も指揮を執ることが決定的。「J1とJ2は全く違う国のリーグと思わないと。今のままでは声援がヤジに変わる。感傷的になる時間はない。残り3試合で少しでもチームを成熟させたい」と来季を見据えた。目標はJ1残留。リアリストらしく一歩ずつ歩みを進める。

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