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オシム氏 熱く語る「本田はミランのリーダーになれる」

[ 2014年1月1日 11:40 ]

ザックジャパンについて熱く語った元日本代表監督のオシム氏

 【オシムの提言1】W杯イヤーに本田は輝く――。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(72)が6月12日開幕のW杯ブラジル大会に向け、ザックジャパンについて熱く語った。ACミランへの移籍が決定している本田圭佑(27)については「活躍できない理由はない」と独特の言い回しで持てる能力と新天地での活躍に太鼓判。世界のサッカーを知り尽くす名将が日本へのアドバイス、そして、エールを惜しみなく送った。

 日本人としてはまれなタイプの選手だ。フィジカルが強く、キープ力がある。大きな相手にも勇敢に挑み、リスクを冒すことも知っている。意欲的で、FWもMFもできるという意味でポリバレントだし、シュート力がある。

 本田のACミランへの移籍がプラスかマイナスかといえばプラスに決まっている。本人も納得しているのだろう。ロシアリーグが12月から3月まで3カ月中断することだけを考えても真剣勝負の機会が増えた方がいい。

 ミランで活躍できることを期待している。活躍できないだろうと予想させる理由はない。素質的にはレギュラーはもちろん、チームのリーダーにもなれるだろう。仮に初めは試合に出られなくとも、学ぶべきことは多いだろう。

 ロシアからイタリアへ行っても、基本的には自分の自信のあるスタイルを貫けばよい。ロシアよりイタリアの方が厳しいが、日本人らしいストロングポイントを生かしていけばよい。プレースピードには不満がないでもないが、アグレッシブ(積極的)なプレー、アンビシャス(野心的)なチャレンジ精神、攻撃だけでなく、ボールを奪われた時のファーストディフェンダーとしての献身的な守備など、これまでの好調な時の本田を見せてくれればいい。

 自分の所属チームと代表の両方で準備をするわけだが、これまでのW杯と最も異なるのは、過半数が欧州でプレーしているということだ。

 これまでブラジルやアルゼンチンなど南米から多くの選手が欧州にやってきた。欧州で活躍することが、富と名誉を伴うステータスだった。その中に日本人選手も加わっているのだ。欧州行きがすなわち未来を約束してくれるものではないが、ここが4年前と大きく異なる点だ。

 チームのマネジメントという観点からは、多くの選手が日本ではないところでプレーしていることによる困難もあるが、ここではメリットを考えたい。

 ブラジル大会を制するのはフィジカルコンディションだろう。欧州のよいチームは、世界的なトレンドに沿って走力を鍛えている。そこで競争に勝ち、スタメンで出場することがW杯への準備につながる。

 ▽イビチャ・オシム 1941年5月6日、ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)のサラエボ生まれの72歳。ユーゴスラビア代表監督として、MFストイコビッチらを擁し90年W杯イタリア大会でベスト8。03年市原(現千葉)監督。W杯ドイツ大会後の06年に日本代表監督に就任も、07年11月に脳梗塞で倒れ退任した。

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2014年1月1日のニュース