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オシム氏断言 W杯は「フィジカルを制するものが勝つ」

[ 2014年1月1日 11:41 ]

ザックジャパンについて熱く語った元日本代表監督のオシム氏

オシム氏 ザックジャパンに提言

 【オシムの提言2】対戦相手が決まったので、どういう準備をするかも明確になったはずだ。コートジボワール、ギリシャ、コロンビアとタイプの異なるチームと対戦するが、日本代表スタッフがよく研究して、必要な対策を取ってくれることだろう。その点では心配していない。

 親善試合とはいえ、(昨年11月に)オランダやベルギーとも対等以上の試合ができたのだから、自信を持っていい。よく走り、正確なパスをつなぎ、アグレッシブにプレーする日本らしいスタイルを継続し、レベルアップしていけば世界中を驚かせることも可能ではないか。

 一つ一般的なアドバイスをするならば、これからの6カ月間はフィジカル面の準備を重視したらどうだろうか。ブラジルは広い。気候もさまざまだ。それらに適応し、どんな状況でも実力を発揮するためには、走力がカギになる。

 日本は、戦術や技術面での進歩がある。それをグラウンド上で相手を圧倒する形で発揮するのは、走力が備わっていてこそだ。より多く走ることができれば、それを前提に、戦術や技術も新しい段階へと発展させることができる。

 世界的なトレンドでも走ることの重要性は証明されている。スペイン式の「ティキタカ」(細かいパスをつなぐスタイル)は走らなければ不可能な戦術だし、対抗する勢力としてドイツが台頭してきている。ドイツ本来のフィジカル(強さ、大きさ)に加えて最近のドイツはよく走る。それがチャンピオンズリーグでのバイエルンMやドルトムントの戦いぶりにも表れている。

 日本が1次リーグを突破して、次に世界の強豪と対戦することになった場合も、フィジカル、つまり走力が決定的に重要になるだろう。たとえばスペインなど強豪に対抗するには、ミスをしない集中力とともに、相手以上の走力が必要なのだ。

 日本代表だけでなく、ブラジル大会はフィジカルを制するものが勝つ――そのような大会になるような気がしている。

 ▽イビチャ・オシム 1941年5月6日、ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)のサラエボ生まれの72歳。ユーゴスラビア代表監督として、MFストイコビッチらを擁し90年W杯イタリア大会でベスト8。03年市原(現千葉)監督。W杯ドイツ大会後の06年に日本代表監督に就任も、07年11月に脳梗塞で倒れ退任した。

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2014年1月1日のニュース