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柏 2点ビハインドから3発大逆転!工藤ロスタイム弾で4強

[ 2012年12月24日 06:00 ]

<大宮―柏>試合終了間際、決勝ゴールを決め、ユニホームを脱いで駆けだす柏・工藤

天皇杯準々決勝 柏3-2大宮

(12月23日 熊谷陸)
 柏は大宮に2点を先行されながら後半に追いつくと、同ロスタイムにFW工藤壮人(22)のヘディング弾で勝ち越し3―2で勝って準決勝に進出。目標としている来季のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場に一歩前進した。来季J2降格のG大阪は延長の末に2―1でC大阪を破り、横浜は0―0からのPK戦7―6で名古屋を退け、鹿島は1―0で千葉に競り勝ち、4強が出そろった。29日の準決勝のカードはG大阪―鹿島(エコパ)、横浜―柏(国立)に決まった。
【試合結果】

 ACL出場に望みをつないだのは、今季リーグ戦でチーム最多の13得点を記録した工藤だった。2―2の後半ロスタイム、那須の右クロスに頭を合わせ、決勝弾。「ゴールシーンを珍しく覚えていない。延長は嫌だったし、畳み掛けたかった。興奮した。頭が真っ白になった」。ゴール後は観客席に向かって走りだした。無意識にユニホームを脱ぎ、全身で喜びを爆発させた。無我夢中の一発が4年ぶりの4強を呼び込んだ。

 前半で2点をリードされる苦しい展開。ネルシーニョ監督は、相手キーマン東を封じるためにボランチに起用した那須を前半途中で右サイドバックに配置転換。さらに沢、水野と攻撃的なカードを投入しリズムを替えた。ハーフタイムには「前半のチームは見たくない。ひどすぎる」と厳しいゲキ。後半14分に水野の縦パスに沢が抜け出し1点を返すと、同38分には増嶋が頭で決めて振り出しに戻した。

 この日は今夏ドイツ1部ハノーバーに移籍した日本代表DF酒井宏樹が応援に駆け付けた。試合前には控室前でハイタッチして旧友を鼓舞した酒井は「29日に用事ができたのでうれしいですね」と古巣の準決勝進出を喜び、工藤は「酒井の前で頑張っている姿を見せられた」と安どの表情を見せた。

 今季初出場のACLは決勝トーナメント1回戦で蔚山(韓国)に敗れ不完全燃焼に終わった。リーグ戦では6位にとどまりACL出場圏(3位以内)に届かず、天皇杯制覇での2季連続ACL出場がチーム全体の目標になった。ノルマまであと2勝。工藤は「タイトルを獲りたい気持ちは強い。今年ACLを経験して、また出たい気持ちが強い」とキッパリ。試合後には観客席に「ACL」コールが響いた。昨季リーグ王者が今季最後のタイトルを獲りに行く。

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