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鹿島、希望の3発!今季公式戦5試合目で初勝利

[ 2011年4月14日 06:00 ]

シドニーを破り、笑顔の鹿島・小笠原

ACL1次リーグH組 鹿島3-0シドニーFC

(4月13日 シドニー)
 ACL1次リーグH組の鹿島は13日、アウェーでシドニーFCに3―0で快勝した。前半41分にMF野沢拓也(29)のゴールで先制すると、後半6分にMFフェリペ・ガブリエル(25)、ロスタイムにはFW興梠慎三(24)が続いた。今季公式戦5試合目で待望の初勝利。東日本大震災で深刻な被害を受けた被災クラブが、苦境を乗り越えて日本に希望を届けた。

 いつもとは違う勝利の瞬間だった。終了の笛が鳴っても、派手に喜びを表現する選手は一人もいない。東日本大震災の被災地に勝利を送り、鹿島イレブンは安どの表情を浮かべた。今季公式戦5試合目で挙げた待望の初白星。反対する家族を説得してチームに合流しているオリヴェイラ監督は「プロとしてやるべきことをやる、と留意して臨んだ」と胸を張った。

 被災地への思いをピッチで表現した。前半41分に野沢がフェリペ・ガブリエルのシュートのこぼれ球を右足で押し込み先制すると、後半6分にはフェリペ・ガブリエルが頭で追加点。ロスタイムには興梠がFW登録としてのチーム今季初ゴールを決めた。震災でクラブハウスは一部破損し、選手寮は一時断水。親類を亡くした職員もいる。本拠地を置く鹿嶋市は現在も強い余震があり不安な状況が続く中、必死にボールを追った。

 裏舞台では敵味方の壁を超えた“支援”があった。この試合は本来は3月16日にホームで開催予定だったが、震災の影響で延期された。被災した鹿島スタジアムが使用できないため、シドニーFCからホームとアウェーの試合を入れ替えることを提案され、試合は実現。現地入り後は施設の整っているシドニーFCの練習場を借りるなど相手の全面協力を得ていた。

 アウェー3試合を1勝2分けで乗り切り、首位の水原(韓国)と勝ち点で並ぶ2位。1次リーグ残り3試合は全て国立競技場開催となる。MF小笠原主将は「まだ続くので、勝ち続けて、もっとファンを喜ばせたい。3連勝で突破して、チャンピオンを目指して頑張りたい」と前を向いた。過酷な環境下で、チームの一体感とたくましさは確実に増している。

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2011年4月14日のニュース