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トーレスへ顔面一発!リバプール“ひじ”の白星

[ 2011年2月8日 06:00 ]

 イングランド・プレミアリーグ第26節の2試合が6日に行われ、アウェーのリバプールがチェルシーを1―0で破った。1月31日にチェルシー入りした元エースのスペイン代表FWフェルナンド・トーレス(26)を封じ、今季初の4連勝。1月に就任したケニー・ダルグリッシュ監督(59)の下で今季最高の6位に順位を上げ、不振に泣いた名門の逆襲が始まった。

 敵地のブーイングが心地よかった。終了の笛が鳴ると、リバプールのダルグリッシュ監督はスタッフと抱き合い「確固たる決意で選手が勝利に向けて戦った」と喜んだ。

 フェルナンド・トーレスを止めた。移籍志願の末にリバプールを去った元エースはこの日が新天地デビュー戦。指揮官は「彼の出場が刺激になったとは思わない」と話したが、前半26分にはDFアッガーがボールを持った元チームメートの顔面に右肘を入れる激しいプレーで止めた。相手が倒れ込んでも謝罪や助け起こすための手は誰からも出なかった。試合前の通路では声をかけてきたフェルナンド・トーレスと握手を交わす選手もいたが、試合になれば別だ。3分後はパスに走り込んだストライカーにキャラガーがスライディング。気迫あふれるプレーでシュートをブロックした。

 「彼は世界最高のストライカーだけど、きょうは自分たちの仕事をこなせた」とキャラガー。決定的な仕事をさせずにかつての仲間を後半21分に交代に追い込むと、3分後にMFラウル・メイレレスが相手守備の隙を突いて決勝点を挙げた。

 開幕から不振続きで一時は降格圏に低迷も、1月8日就任のダルグリッシュ監督は不満分子だったアッガーらとも積極的に意思疎通。80年代にエースとして欧州チャンピオンズ杯(現CL)を3度制覇し、監督としても3度のリーグ優勝を成し遂げてファンから「キング・ケニー」と称えられたカリスマ性と巧みな話術で選手の意欲を引き出した。前線に長身選手がそろった前節ストーク戦では守備的3バックを導入するなど柔軟な采配で対応。この日も状況次第で両ウイングバックも含めた5人を最終ラインに並べ、連勝とともに連続完封も4まで伸ばした。

 契約は今季終了までだが、キャラガーは「事態は改善されてきた」と続投を訴える。CL出場権が懸かる4位チェルシーと勝ち点6差。「見据えるのは次の試合だけ」と控えめな指揮官だが、上位が視界に入ってきた。

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2011年2月8日のニュース