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岡田監督決断“本田ジャパン”で4強に挑む

[ 2010年5月10日 09:05 ]

岡田監督(中央)が絶大な信頼を寄せる本田(左)。仲村に代わる代表新エースとして初のW杯に臨む

 “本田ジャパン”でベスト4に挑む。日本サッカー協会は10日に都内のホテルでW杯登録メンバー23人を発表するが、CSKAモスクワのMF本田圭佑(23)が初めてW杯メンバーに入ることが確実だ。日本代表の岡田武史監督(53)は攻撃の中心として大きな期待をかけており、6月のW杯南ア大会に向けて本田が中心となるチーム作りを推し進めることになる。

 W杯切符が懸かった運命の日が迫っても、本田はひょうひょうとしていた。9日にモスクワ市内で行われた練習後、本田は「今は14日の試合(ルビン・カザン戦)が終わるまで、他のことは考えたくありません」と、W杯メンバー発表の行方を気にするそぶりも見せなかった。岡田ジャパンの中心選手であるという自覚があるからこその“余裕”だった。

 言うまでもなくW杯本番では本田の力が不可欠となる。CSKAモスクワを欧州CL準々決勝に導いた強烈な左足とフィジカルの強さ、そして得点へのどん欲な姿勢は、日本代表に欠けているゴール前での迫力を生む。カメルーン、オランダ、デンマークの強豪3チームと対戦するW杯に向け、岡田監督はすでに守備的戦術の採用を示唆。少ない攻撃機会で確実に得点を奪わなければならない以上、ぶれ球のFKやミドルシュートなど“一発”がある本田にかかる期待は大きい。

 これまでは中村を中心としたチームづくりを進めてきた岡田監督だが、21日からスタートする合宿では本田を中心としたチーム編成にスイッチする。4―2―3―1のシステムでは本田がトップ下。守備的な4―1―4―1では左右の攻撃的MFか1トップに本田を配置することになる。W杯メンバーの人選も、もちろん本田中心のチームづくりが前提だ。

 3月3日のバーレーン戦後に本田のゴールを手放しで喜んだ岡田監督は、その後も「彼は代表でも欠かせない存在」「本当に頼もしくなった」と賛辞を繰り返した。日本サッカー協会関係者も「岡田監督があんなに個人を褒めるのは珍しい」と驚いており、いかに岡田監督が本田に信頼を寄せているかが分かる。

 98年の第1次岡田ジャパンでは当時のエースだったカズ(現J2横浜FC)がメンバーから外れ、中田(元日本代表)が日本の中心となった。そして、その称号は中田の引退後に中村を経て、ついに本田の手へ。「毎日限界を求めてやっていきます」と本田。日本代表は“本田ジャパン”として、10日から新たな一歩を踏み出す。

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2010年5月10日のニュース