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円熟の強さ見せた!鹿島V3へ4冠へ完勝開幕

[ 2009年3月8日 06:00 ]

<鹿島・浦和>前半22分、ゴールを決めた鹿島・野沢拓也(右)に抱きつく内田篤人

 J開幕戦の注目カードは王者・鹿島が制した。17年目を迎えたJリーグは7日、J1・7試合などで開幕。優勝候補同士の対戦は鹿島が浦和に2―0で快勝した。前半22分に野沢拓也(27)のゴールで先制すると、後半6分にはマルキーニョス(32)が追加点。Jリーグ史上初の3連覇を狙う鹿島は、今季の目標に掲げるリーグ戦、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)、ナビスコ杯、天皇杯の4冠へ最高のスタートを切った。

【試合結果


 貫禄だった。過去5年間、ホームで勝てなかった宿敵・浦和を相手に余裕の白星を挙げた。現王者・鹿島と前王者・浦和が激突した注目の開幕カード。ふたを開けてみれば3連覇を目指す現王者の強さが際立った。

 前半22分、野沢の先制点をアシストしたFWマルキーニョスが説明する。「自分がつくったスペースに中盤が入ってくる。野沢がそれを感じ取ったから点になった」。GKからのフィードを右サイドで受けた昨季得点王は、ドリブルで前進。中央にできたスペースを野沢は見逃さなかった。

 マルキーニョスが「連係の深さ、個々のプレーが分かっているから、あのプレーができた」と話したように鹿島のサッカーは円熟味を増した。メンバー、指揮官が昨季とほとんど変わらず、伝統の4―4―2のシステムも同じことで、より熟成されたチームになった。

 さらに、この日の2得点は鹿島のいやらしさも象徴していた。いずれも浦和のセットプレー後のカウンターからだが「セットプレーで(浦和が攻撃にかける)人数が多いのは事前の情報で分かっていた」とGK曽ケ端。分析で得た相手の弱点を突いた。浦和はつなぐサッカーへの変化を図っているが、内田は「回されているというより回させている感じ」と振り返ったほどだった。

 気持ちも高まっていた。ロッカールームで全員で見たのは、昨季の連覇までの道のりを編集したモチベーション・ビデオだった。「今年も同じ結果を出そうという気持ち」と鈴木満取締役強化部長は意図を説明する。目指すはJ初の3連覇。だが、鹿島の目標はさらにその先にある。

 この試合では「Departure for GRAND SLAM(4冠への出発)」というステッカーがサポーターに配布された。「みんなの口から全タイトル(を獲る)という言葉が出ている。どれかじゃなく全部獲りにいく」と大黒柱の小笠原。野沢も「また、一から挑戦して全部のタイトルを獲りたい。全試合勝つつもりで戦う」とサポーターに呼びかけた。熟成と、目標の進化。常勝軍団にスキはない。

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2009年3月8日のニュース