国枝師 史上15人目のJRA通算1000勝達成!足かけ33年、福島で見届け「感謝」

[ 2022年7月3日 05:00 ]

函館競馬10Rで通算1000勝を達成した国枝師は花束を手にポーズ(撮影・郡司修)
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 土曜函館10R・洞爺湖特別で圧倒的1番人気クライミングリリー(牝4=国枝)が差し切りV。管理する国枝栄師(67)は史上15人目、現役では唯一となるJRA通算1000勝(8430戦目)を達成した。

 函館10R。国枝厩舎のトレードマークである白いシャドーロールが先頭でゴール板を駆け抜けると、福島競馬場は拍手に包まれた。テレビで愛馬の勝利を見届けた国枝師の周りには関係者が集まり、祝福の嵐。松岡が「自分もマイネルキッツで貢献しましたよ」と笑わせれば、田村師は「早く後輩に譲ってください」とニヤリ。花束を受け取った国枝師は「周囲からのプレッシャーが凄かったからね(笑い)。良かったです。まずは丈夫に生んでくれた両親に感謝を伝えたい。家族、特に妻は健康に気を使ってくれて助けてもらってきた。馬主さん、スタッフ、そしてメディアをはじめとするファンの皆さまのおかげで達成できました」と感謝の言葉を並べた。

 ライバルであり、盟友の藤沢和雄元調教師からも祝福の連絡があったといい、「フジさんは1500勝以上しているから、余裕の“おめでとう”だったね。ダービーを2勝すれば、フジさんを追い抜ける」。早くも次なる夢が見つかった様子だ。続けて、「目標としては、まずは1001勝。日曜の新馬戦(福島5R=ロジザキア)を勝ちたい」と気を引き締めていた。

 90年の開業から足かけ33年。「一番の思い出はアーモンドアイ。いろいろな経験をさせてもらった。1回目のジャパンCは凄かったよね」と2分20秒6(芝2400メートル)の世界レコードを樹立した愛馬に思いをはせた指揮官。3年半後の26年と迫った定年引退まで残された時間はわずかだが、そのアーモンドアイの子供を筆頭に、ファン思いの名伯楽が育て上げるサラブレッドが、さらなる夢を紡いでいくに違いない。

 ▼横山武 国枝先生から「決めてくれ」と言われていました。お世話になっている先生だし、何とか僕で決めたいと思っていたのでうれしい。

 ▼蛯名正師 (騎手時代は)一番乗せてもらっていたからね。ブラックホーク(コンビで99年スワンS優勝)とアパパネ(10年牝馬3冠)とか凄い馬に乗せてもらった。自分が調教師になって(1000勝は)改めて途方もない数字だと思う。

 ◇国枝 栄(くにえだ・さかえ)1955年(昭30)4月14日生まれ、岐阜県出身の67歳。東京農工大卒業後、78年美浦・山崎彰義厩舎で調教助手。89年調教師免許取得。90年2月4日初出走、同3月10日初勝利。JRA通算8430戦1000勝。JRA重賞61勝、うちG121勝。アパパネ、アーモンドアイと2頭の牝馬3冠馬を育てた。

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2022年7月3日のニュース