【安田記念】激流経験生きるイルーシヴパンサー 府中の多様な流れでV 適性は抜群

[ 2022年6月2日 05:30 ]

Wコースで追い切るイルーシヴパンサー(撮影・郡司 修)
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 予想の重要ファクターである展開を、あらゆる角度から分析する春のG1企画「展開王~前か後ろか」。安田記念2回目は4連勝でG1に挑むイルーシヴパンサーに注目する。東京マイルも3戦3勝と舞台適性も抜群。東の新星はG1でも通用するのか。ヒントは“激流経験”にありだ。

 春のマイル王決定戦として定着した安田記念。毎年、一流マイラーが集結するハイレベルぶりはレースラップに表れている。同じ舞台で年明けに行われるG3東京新聞杯と比較すると分かりやすい。12年以降の前半5F通過で比較すると安田記念は不良馬場の14年、ロゴタイプが逃げ切った16年(共に59秒1)以外は56~57秒台。一方、東京新聞杯はほぼ58秒以上で期間平均は59秒3。安田記念の方が平均で2秒近く速い。

 唯一の例外が19年。この年の東京新聞杯は5F57秒2。このレースにしては異例のハイラップ。これを上がり3F33秒5で差し切ったのがインディチャンプ。2走後の安田記念も57秒0の激流に難なく対応しG1制覇。同じ舞台での激流経験が生きた。

 今年、同じ臨戦過程で臨むのがイルーシヴパンサーだ。東京新聞杯は5F通過58秒0。このレースとしては速い流れを3F33秒1で差し切った。もちろんインディチャンプとの比較ではワンパンチ不足だが、補完する材料はある。パンサーは東京マイル3戦3勝。その中で最も優秀と言えるのが昨年6月、4連勝の端緒となった1勝クラスだ。5F通過56秒9。“G1級”の激流を楽々と突き抜けた。勝ちタイム1分32秒0も優秀。平場の条件戦とはいえ評価していい内容だ。

 一方、鷹巣山特別では、やや重のスローペースにも対応。流れを問わず3F33秒台の末脚を使えるのが強みだ。今年の安田記念は1日付当欄でも触れたように“逃げ馬不在”。激流か緩流か微妙な状況だ。それでも異なる性格の3戦を勝ち切ってきたパンサーなら、どちらに転んでも最後は確実に伸びてくるはずだ。東京【4・1・0・0】の舞台適性。4連勝の勢い。そして肝となる“激流経験”。全てがかみ合えば、一気のG1戴冠も不可能ではない。

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2022年6月2日のニュース