【フェブラリーS】Dr.コパ氏語った 菜七子と新時代切り開く!

[ 2019年2月7日 05:30 ]

昨年12月、サムアップポーズでツーショット写真に収まる小林祥晃氏と藤田菜七子(小林祥晃氏提供)
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 藤田菜七子(21)が「フェブラリーS」(17日、東京)でコパノキッキング(セン4=村山)とコンビを組み、JRA女性騎手史上初のG1騎乗を果たす。この歴史的参戦を実現させたのが、同馬を所有するDr.コパこと小林祥晃氏(71)。夢の大一番を前に、同氏がスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、“菜七子愛”たっぷりに、騎乗依頼の背景から勝算までを余すことなく語った。2回にわたってお届けする。

 ――菜七子への騎乗依頼。決断の理由は。

 「僕ら馬主は、騎手に晴れ舞台を用意するというやり方もある。俺は競馬を楽しみたいし、藤田菜七子が乗るキッキングを見てみたいんだよ。一体、どんな走りをするんだろうって…。人気取りや奇をてらったと言う人もいるが、これでルメールやデムーロに頼んだら俺らしくない。キッキングファン、菜七子ファンの一人として純粋に見てみたかった。それにキッキングは生まれた米国でずっと女性厩務員が担当していた。だから、女性がそばにいることで安心できるんじゃないかな(笑い)」

 ――騎乗依頼した時の菜七子の様子は。

 「コパノキッキングが根岸Sを勝った当日(1月27日)、中京にいた菜七子が最終レースで乗り終わる時間を見計らって、一緒にいた明(同馬を管理する村山調教師)と彼女の携帯に電話をしたんだ。“えっ、本当ですか?”とびっくりしていたよ。最後は“ありがとうございます”と声が弾んでうれしそうだった。実は前日に中京競馬場で菜七子と顔を合わせたときに“うれしい報告が行くかもしれないから待っていなよ”と言ったら、“何ですか?”って(不思議そうな)顔をしてたんだけどね」

 ――普段、菜七子とは。

 「男の騎手なら“一緒に飯でも食おう”と言えるけど、女の子だからそういう付き合いはしないようにしてる。ショートメールで依頼した馬のポイントを伝えるぐらい。意見の食い違いがあれば、しっかり言ってくれるし、それは騎手としていいこと」

 ――9戦7勝のキッキングと菜七子のコンビ。

 「菜七子が初めてG1に乗るから、ファンは単勝と複勝だけは買おうとするんじゃないかな。単勝は1番人気だけど、馬単、3連単などの頭は他の馬になる可能性があるよね。(地方競馬のように)中央競馬も単複の応援馬券に騎手の名前が入ってくれればいいのに…」

 ――レース当日はファンの視線を独占?

 「俺と村山明と菜七子がパドックの真ん中に立つわけじゃん。カメラはみんな俺たちの方を向くよな(笑い)。豊さんやルメール、デムーロらの実力馬を差し置いてだよ。想像するだけで楽しいよな。パドックでの声援が見物。そういうことを含めてオーナー冥利(みょうり)に尽きる。一番感謝したいのは、順番に乗り替わりながら、キッキングを勝たせてきたジョッキーたちですよ。普通は(乗り替わりで)“何だよっ”て言われる。でも、みんな俺の競馬に対する考え方を理解してくれている」

 ――その分、菜七子にも相当なプレッシャーがある。

 「とにかく楽しく乗ろうよ、元気に乗ろうよ、と。緊張して日頃より力が入ったり、変に力を抜こうとして駄目だったりするんじゃなくて、日頃と同じことをやればいい」

 ――アシストプランもあるとか。

 「当日、東京競馬場で(フェブラリーSと同舞台の)ダート1600メートル戦(9R・ヒヤシンスS)がある。そのレースで俺のミヤケという馬に菜七子を乗せる。3歳オープンでメンバーもそれなりにそろっている。そこで彼女もG1と同じような気持ち、雰囲気が分かるだろうから」

 ――キッキングについては。

 「いろんな可能性がある馬。追い込む競馬、中団からの競馬、逃げる競馬、3つ全部ができるわけだから。馬主を十何年やってるけど、最高に面白い馬。なにをやらかしてくれるのかな、と」

 ――距離不安がささやかれているが?

 「(根岸Sに騎乗した)マーフィーが1200メートルがベストと言っていたけど、血統に詳しい人は決して短距離馬じゃないと言っている。ただ、(この発言で)菜七子にとってはプレッシャーが緩和されて、少し肩の荷が下りる。もし、マーフィーが菜七子のことを思って言ったのなら、彼は紳士だよね」

 ――具体的なレースイメージは。

 「極端だけど、逃げるか、追い込むか、どっちかだね。他の馬に絡まれたくないので、逃げるとしても単騎逃げ。枠順は外枠がいいな。キッキングはトップスピードに乗るのに時間がかかる。内に包まれて、間が空いたからってそこからエンジンを掛けようとしても遅い。だから、中団のインコースにいることはまずない」

 ――菜七子に風水的なアドバイスは。

 「来週末にはメールをする。土曜(16日)の夜に騎乗を終えて小倉から東京に移動してくるから、新幹線の中でこれを食べろとかね。とにかく本番までケガをしないこと、それと風邪をひかず当日を迎えてほしい」

 ――菜七子にとって騎手人生のターニングポイント。

 「これで勝つものなら、彼女自身も勲章だよね。彼女のジョッキー人生にとって大切な日になる」

 ――ずばり勝算は。

 「菜七子をG1に乗せるときは、勝負にいける馬で乗せようと思っていた。それが今の俺の所有馬ではキッキング。4連勝、重賞連覇中の馬に乗るわけだから勝負できる」

 ◆Dr.コパ(どくたー・こぱ、本名小林祥晃=こばやし・さちあき)1947年(昭22)5月5日生まれ、東京都世田谷区出身の71歳。日本大学理工学部建築学科卒。一級建築士、神職、愛知工業大学客員教授。Dr.コパとして風水・家相を用いた開運術の第一人者。01年に馬主資格を取得。本名の小林祥晃名義で「コパノ」「ラブミー」などの冠名の競走馬を所有。史上最多となるJRA&地方交流G1・11勝を挙げたコパノリッキーなどG1ホースのオーナーで、同馬で14、15年のフェブラリーSを連覇。

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