【有馬記念1週前追い】オジュウ 平地G1獲りへ“猛獣ラン”

[ 2018年12月13日 05:30 ]

石神を背に併せで追い切ったオジュウチョウサン(撮影・村上 大輔)
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 「第63回有馬記念」(23日、中山)の1週前追い切りが東西トレセンで行われ、異色の“二刀流馬”オジュウチョウサン(牡7=和田正)がWコースで迫力の走りを披露。最強ジャンパーが、いよいよ平地G1へ殴り込みをかける。

 障害G1・5勝から平地2連勝。異例尽くしの道を行くオジュウチョウサンが、競馬界の常識も雨に濡れた重いチップも蹴散らした。

 「気持ちが入って凄く集中していた。G1に向けて今までより1段アップした仕上がりでいける」と和田正師が好感触を伝えるように、石神がまたがり、メンコを外した途端に目つきが変わった。Wコースに出ると大地にかみつくかのようにカッと口を開き、姿勢を低くして5馬身前を行くユキノエルドール(4歳障害未勝利)を追いかける。その姿は獲物を追う肉食獣。直線入口で捉え、あっという間に4馬身突き放してゴールも、本当のゴールはさらに先だ。追い切り時計は5F69秒7〜1F12秒7だが、鞍上はゴール後にもステッキを入れ、オジュウの前で併せ馬をしていた2頭をかわし2角まで加速させた。ゴール前後に2段階でパワーを爆発させる追い切りは、タメてはじける平地仕様の走りにもつながっている。

 最もオジュウを知る男は師の上をいく手応え。「いつも1週前は2角をゴールにしている。追いだしたときに凄くいい動きで抜け出しても余力があったし、精神的に成長してゴール後も頑張っていた。今日やってほぼ100%。あとはテンションが上がらないように持っていければ。最近の中でもかなり良く、(中山)大障害ならぶっちぎると思う」と石神からは最上級のコメントが飛び出した。

 「とにかく最高の出来で向かいたい」。平地転向の最大目的である有馬記念へ。力がこもる指揮官の期待に呼応し、最強ジャンパーが最強の挑戦者に変化を遂げようとしている。

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2018年12月13日のニュース