【皐月賞】マカヒキ100点 凄すぎる前肢、歴戦の古馬の“強肩”

[ 2016年4月13日 05:30 ]

前肢がたくましく、顔立ちも精かんなマカヒキ

 鈴木康弘元調教師(71)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第76回皐月賞(17日、中山)では無敗3連勝中のマカヒキを唯一満点採点した。

 “三つ巴”の下馬評通り、馬っぷりも3頭が抜けています。バランスと弾力性に富んだサトノダイヤモンド、柔軟性にあふれるマカヒキ、際立った成長力を示すリオンディーズ。3頭はいずれも甲乙付けがたいほど優れた馬体です。マカヒキを最上位に評価したのは完成度と、ライバル2頭からは感じられない顔立ちの精かんさです。

 闘志を秘める目つき、聡明(そうめい)さを示す張りのある額、集中力を示すしっかりと開いた鼻の穴。顔つきに鋭さのないサトノダイヤモンド、幼さの残るリオンディーズとは対照的な風貌です。私は馬相家ではありませんが、気性や精神状態は顔に表れる。トリッキーな中山コースで互角の力量を持つ3頭が激突するとなれば、雌雄を決するのは研ぎ澄まされた神経。マカヒキは闘馬のような面構えをしています。

 馬体のバランスはサトノダイヤモンドに見劣りします。全体を見渡すと、前肢に比べてトモ(後肢)が寂しく映る。だが、トモだけを注視してみると…サトノダイヤモンドにも負けない筋肉量。飛節(トモの筋力を蹴る力に変える関節)も発達しています。それでも後肢が寂しく見えるのは前肢が凄すぎるからです。特に肩。歴戦の古馬のようなたくましい筋肉を付けています。野太い首にも相手を威圧するような力強さがある。膝、球節も立派。大地をしっかりつかんで立っている。完成度の高い肉体の迫力が伝わってきます。

 全姉は短距離で活躍するウリウリですが、馬体は対照的です。ウリウリには母の父フレンチデピュティの硬さがありますが、こちらは父ディープインパクトの柔らかさを受け継いでいる。だから中距離に対応できるのです。1カ月半後のダービーはともかく、皐月賞では鋭敏さと完成度で勝るマカヒキです。

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2016年4月13日のニュース