金沢でも菜七子フィーバー!JRA初勝利の勢いそのまま2連勝

[ 2016年4月13日 05:30 ]

2Rで優勝した藤田騎乗のスガノデュランダル(左端)

 “大移動ウイーク”でも菜七子の勢いは止まらない!10日の福島競馬で待望のJRA初勝利を挙げた新人女性騎手の藤田菜七子(18=美浦・根本)が12日の金沢競馬に初参戦。この日は7鞍に騎乗し2、3Rでともに逃げ切り勝ち。2連勝を決め、通算5勝目(地方4勝を含む)を挙げた。13日は初めて船橋競馬ナイターに参戦し5鞍に騎乗。メイン11Rの交流重賞「マリーンC」には独特の毛色で人気のブチコ(牝4=音無)もスタンバイし“人馬のアイドル競演”に注目が集まる。

 JRA初勝利でうれし涙を流してから中1日、菜七子が北陸の古都・金沢でも大フィーバーだ。1Rからパドックやゴール前で声援が飛ぶ中で迎えた2R。スガノデュランダルで見事に逃げ切り、金沢初Vを決めた。勢いは止まらない。続く3Rもスリーナイトダリアで先手を奪い、後続を寄せつけずに先頭ゴール。初参戦の慣れない競馬場で、騎乗機会2連勝を飾ってみせた。

 「2走とも馬がスタートで出てくれたし逃げることができて良かった」。爽やかな笑顔でレースを振り返った菜七子だったが、その後の騎乗については反省の言葉があふれた。5Rは差し届かず2着。6Rは逃げたものの最後に差されてまたも2着。「2着だったレースは1着にできるようにしないといけない。一つでも上を目指していかないと。地方での経験は身になっています」と口元を引き締めた。

 3月3日のひな祭りデビュー以降、全国の地方競馬場からラブコールがやまない菜七子。1Rを「ようこそ藤田菜七子騎手杯」とするなど大歓迎した金沢競馬場。“菜七子フィーバー”は売り上げにも表れた。開門前から行列ができ、1Rのパドックには彼女をひと目、見ようと大勢の人、人…。12日の金沢競馬は昨年の同時期と比較すると、入場者数は4162人(15年、1810人)で約2・3倍、売り上げは3億6097万9500円(15年、1億8672万2400円)で約1・9倍に伸びた。

 13日は船橋に初参戦。メイン11Rの交流重賞「マリーンC」ではブラックバカラに騎乗。独特な毛色で人気の白毛馬ブチコとの人馬アイドル競演が実現する。9日の中山から始まった過酷な“大移動ウイーク”。16、17日には再び福島遠征も控えている。デビュー後、約1カ月で新人としては異例の78戦(JRA、地方含む)。体も心も限界かもしれない。それでも大好きな英国のイケメングループ「ワン・ダイレクション」の心に響く曲を聴いて充電すれば、負けず嫌いの、なでしこジョッキーに変身する。18歳の女の子にはハードな日程かもしれないが、それを乗り越えながら、菜七子が、さらなる進化を遂げていく。

 ◆金沢競馬場 石川県金沢市にある北陸地方唯一の地方競馬場。現在の場所には72年に移転。1周1200メートル、幅員20メートル、直線236メートルのダートコース。フルゲート12頭。13年に初めてJBC競走が開催された。主な重賞は白山大賞典。

 ≪2R・VTR スガノデュランダル≫スタートを決めてすっとハナへ。3角すぎから好位で運ぶエーティーショパンが迫ってきたが、菜七子は直線でムチ5発。最後は突き放して金沢初勝利。

 ≪3R・VTR スリーナイトダリア≫2R同様に最高のスタートを決め、楽に先頭へ。直線は左ムチ一発から右に持ち替え愛馬を鼓舞。影も踏ませぬ逃走劇で1番人気に応える。このメンバーでは力も違った印象。

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