365日 あの頃ヒット曲ランキング 10月

【1979年10月】セクシャルバイオレットNo.1/カーリーヘア 桑名正博 初の大ヒット

[ 2011年10月10日 06:00 ]

 ★79年10月ランキング★
1 セクシャルバイオレットNo.1/桑名正博
2 勇気があれば/西城秀樹
3 しなやかに歌って/山口百恵
4 関白宣言/さだまさし
5 愛の水中花/松坂慶子
6 銀河鉄道999/ゴダイゴ
7 おもいで酒/小林幸子
8 虹とスニーカーの頃/チューリップ
9 万華鏡/岩崎宏美
10 よせばいいのに/敏いとうとハッピー&ブルー
注目親父の一番長い日/さだまさし
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【セクシャルバイオレットNo.1/桑名正博】

 関西のロックシーンでは知られていた桑名正博が、一気に全国区になった79年秋のヒット曲。TBS「ザ・ベストテン」では10月11日に7週連続1位だった、ゴダイゴの「銀河鉄道999」を引きずり降ろし、オリコンではこれまたさだまさしの「関白宣言」の11週連続1位を阻止するなど、目立つトップの獲り方をしたしたことでも印象深い。

 作詞は80年代に松田聖子の作品などでヒットを連発する松本隆、大物作曲家の筒美京平が曲を担当した。カネボウ化粧品の秋のCMソングとして大々的に流れたことがヒットの原動力だったが、化粧品のCMのキャンペーンソングは多くが最初からタイトルが決められ、それに合わせて発注されるが、この曲もその流れだった。

 ただ、誰が歌うかは決まっておらず、歌のイメージ、バイオレットという色のイメージが桑名に合ったということで選ばれた。当時「哀愁トゥナイト」などのスマッシュヒットはあったものの、ヒットチャートを賑わすほどのものはなかった桑名にとって、大きな飛躍を遂げる1曲になった。

 カーリーヘアに甘く伸びのあるハイトーンな歌声に対し、しゃべると関西弁丸出しのギャップがテレビで流れると桑名の親しみやすいキャラクターも知られ、曲のヒットを加速させた。加えて、同時期に歌手のアン・ルイスとの熱愛も発覚。話題には事欠かなかった。

 関西では有名な港湾関係の会社社長の御曹司。ロックを志す者にありがちな、ハングリー精神とは対極の位置にいたが、自分が周囲の人々と違う、という悩みが音楽の道へと突き進む要因となった。米国に渡り、帰国後にロックバンド「ファニー・カンパニー」を結成。矢沢永吉がいた「キャロル」と対比され、“東のキャロル、西のファニカン”とも言われたが、バンドは決して成功したといえず、ソロで再登場した。

 現在は家業を継ぎ社長として多忙な日々を送り、音楽や芸能活動は空いている時間に、というのが実情。障害児や海外の紛争地域で犠牲になっている子どもたちの援助など、社会福祉活動を何年もしていることはあまり知られていない。
 

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