365日 あの頃ヒット曲ランキング 10月

【1995年10月】Joy to the Love/今思えばglove旋風の幕開け

[ 2011年10月9日 06:00 ]

 ★95年10月ランキング★
1 Hello,Again~昔からある場所~/MY LITTLE LOVER
2 LOVE PHANTOM/B’z
3 Message/福山雅治
4 Joy to the Love/glove
5 Feel Like dance/globe
6 LOVE LOVE LOVE/ドリームズ・カム・トゥルー
7 シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~/Mr.Children
8 友よ/長淵剛
9 空を見なよ/シャ乱Q
10 悩んで学んで/奥田民生
注目I BELIEVE/華原朋美
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【Joy to the Love/glove】

 デビューは8月9日。2カ月もたたないうちにセカンドシングルをリリースしたかと思えば、デビューしてちょうど2カ月で世に放ったシングルCDが2曲ともオリコンチャートのベストテン入り。あまりの早い展開に世の中は驚くばかりだったが、当事者の3人は当たるべくして当たったという感覚だったのかもしれない。

 元TMネットワークの小室哲哉が音楽プロデューサーとして、ダンスミュージックユニット「trf」を大ブレークさせて1年。「僕の音楽活動の中で得たものをすべて投入した」という小室自身が参加した「globe」は、10月9日付のランキングで9月27日発売の「Joy to the Love」が初登場1位に輝いた。さらにデビュー曲の「Feel Like dance」が4位に入った。

 売り上げとしては「Joy…」が88万枚、「Feel…」が97万枚とその後ミリオンセラーを連発する3人を思えば数字的には大したことがない?が、この2曲同時のランクインが、ファーストアルバム「globe」が日本の音楽史上初の400万枚突破、デビュー9カ月でシングル、アルバム計1000万枚の売り上げを記録するなど、96年を中心に吹き荒れた旋風の始まりを感じさせる象徴的な出来事だったと位置付けることができる。

 globeのサウンドの肝を小室が握っていたとすれば、ダンスミュージックに欠かせないラップのリズムを吹き込んだのが、フランス生まれのマーク・パンサー。そしてグループの顔が、透き通った高音が魅力のボーカル、KEIKO。デビュー当初、ファンからは「KEIKOkの歌声を聴くと自然と涙が出てくる」と言わしめた、魔法のボーカルだった。

 デビュー1年前の94年9月に「ユーログループ・ナイト新人女性歌手オーディションで、小室自身が目を付けて1年間みっちりトレーニングを重ねたKEIKO。演歌が大好きだった父親の影響で、子どもの頃からチビッ子のど自慢で優勝。そこで「人前で歌う快感を覚えた」というのが、音楽との出会い。松田聖子のファンを経て、高校時代はロックバンドを結成し活動した。

 「美空ひばりさんと都はるみさん、そしてチャカ。カーンという全くバラバラ3人の音楽が基本」というKEIKO。その心は「魂を感じる女性歌手」とのこと。globeの歌も単なる流行歌ではなく、90年代後半にリスナーの魂を揺さぶった。
 

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