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【1996年10月】Swallowtail Butterfly/映画から出た架空バンド 大ヒット!

[ 2011年10月13日 06:00 ]

 ★96年10月ランキング★
1 これが私の生きる道/Puffy
2 Swallowtail Butterfly~あいのうた~/YEN TOWN BAND
3 save your dream/華原朋美
4 恋心/相川七瀬
5 YELLOW YELLOW HAPPY/ポケットビスケッツ
6 渚/スピッツ
7 田園/玉置浩二
8 どうしようもない僕に天使が降りてきた/槇原敬之
9 Another Orion/藤井フミヤ
10 鏡のドレス/酒井法子
注目最後の嘘/松任谷由実
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【Swallowtail Butterfly~あいのうた~/YEN TOWN BAND】

 映画「Swallowtail」の中だけの架空バンドだったはずが、オリジナルのCDを発売。これがオリコンチャートでも1位を獲得し、81万枚のセールスを記録した。

 中山美穂主演の映画「Love Letter」で注目された岩井俊二監督がメガフォンをとった作品自体の出来も秀逸ながら、売れっ子プロデューサー、小林武史と組んだ個性派ボーカルのCHARAが歌った、この曲もそれを収録したアルバム「MONTAGE」も音楽界では話題を呼んだ。

 映画公開の2カ月前に「…あいのうた…」がリリースされ、FMなどを中心に流されると、たちまち若いリスナーを中心に浸透。映画が公封切られた9月14日の2日後には、映画のサウンドトラック盤の形でアルバムがミュージックショップの店頭に並んだ。タイミングとしては絶妙で、映画のヒットとともにアルバムもオリコンで発売直後から2週連続1位を記録した。

 映画の主演でもあったCHARAは俳優・浅野忠信と結婚し、長女が生まれた直後の仕事だった。この映画で日本アカデミー賞の優秀主演女優賞にまで選ばれ、彼女にとっては大きなステップアップにつながった。

 ピアノ調律の専門学校を1年で退学し、バンドを結成しキーボードを弾いていた。だが、20歳の頃に気が付いたことがあった。「自分で作った詞は自分で歌うのが一番」。ボーカリストとしての第一歩を踏み出した。

 男女の愛をテーマにしたものから、家族愛までその世界は広い。ややハスキーボイスで時に甘えるように、時には絶叫するようにその歌声は自由自在。結婚して人気が落ちるアーティストは多いが、結婚、出産を経てますますファンを増やしていった稀有な存在だが、そこには一本筋の通った生き方があった。

 「誰が何と言っても好きな人と結婚して、子どもを生んで、大好きな歌を歌い続ける」。シンプルにかつ力強く。こんなCHARAの姿勢に共感した女性は多かった。作品の良さも、コンセプトのユニークさもあったが、「…あいのうた…」がヒットした背景には、そんなCHARAのポリシーも少なからず影響していたようだ。
 

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