宝塚雪組トップスター彩風咲奈が退団会見 最終公演は来年の“ベルばら”「ぜひフェルゼンで退団したい」

[ 2023年12月27日 12:26 ]

退団会見を行う雪組トップスターの彩風咲奈 (撮影・後藤 大輝)
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 来年10月13日の東京公演千秋楽で退団を発表した宝塚歌劇団雪組トップスター・彩風咲奈(あやかぜ・さきな)が27日、大阪市内で会見を行った。

 真っ白なパンツスーツで登壇した彩風は「最後のその日まで、大好きな雪組の男役として、芸の道をまっとうしたい」などとあいさつ。

 トップに就任した時から「次の大仕事は退団」とイメージしていたといい「最大のパフォーマンスができるのはこのあたりかな」と来年10月での退団を決意したという。サヨナラ公演は来年7月6日、兵庫・宝塚大劇場で開幕するグランドロマン「ベルサイユのばら ―フェルゼン編」(8月11日まで。東京宝塚劇場では8月31日~10月13日)。

 宝塚を目指したきっかけが2001年の「ベルばら」だったこと、5度主演を務めた新人公演の最後の作品だったことが「ベルばら」だったことに触れ「すべてのご縁がつながっているような気がして。ぜひフェルゼンで退団したいな、と」と決意は揺るがなかったという。

 07年に初舞台を踏み、雪組に配属されてからは組替えもせず、21年4月にトップに就任。コロナ禍を経て、今も大きく揺らぐ宝塚でのトップ人生。「大好きな雪組でかけがえのない仲間と、たくさんの舞台を作り上げてきました。どんな状況でもこの立場(トップスター)になってからは“自分が今、何をするべきか”とずっと問い続ける、答えは出なくとも、問い続けながら舞台に立っていました」と振り返った。

 宝塚歌劇団は9月に宙組の劇団員(25)が急死してから、過重労働やパワハラに関するさまざまな改革が進んでいる。これにも質問が及んだが、彩風は「退団を決意したのはそれより以前でいたので、それで(退団の時期が)揺らぐことはありませんでした」ときっぱり。

 一番の楽しい思い出に「何げない毎日」とし「雪組の上級生、組長さんから下級生の笑顔を見ている時が本当に幸せで。私は宝塚が大好きですけど、雪組が本当に大好きで、舞台で(最後の)パレードが終わって緞帳(どんちょう)が下りた時“今日も無事に終わったね”と仲間の笑顔を見た時、何げなくお稽古している時が幸せ」と穏やかに語った。

 逆に苦しかった時にも触れ「どんな時も手を差し伸べてくださる人がいた。一緒に乗り越えてくれる仲間がたくさんいました。それが一番」と感謝。雪組一筋で、順調に見えたトップへの道だったが「組替えもなく、下級生のころからすべて私のことを分かってくださっている人に囲まれて、トップになっても私の方が見守ってもらっている感じだった。格好いいトップスターではなかったけれど、でも、それはすべてをさらけ出せていたから。退団までに男役としての集大成をお見せしたいですが、その過程も格好つけることなく歩みたい」と穏やかに話した。

 彩風は愛媛県出身。07年に首席入団し雪組配属。抜群のスタイルと華やかなダンスで頭角を現し入団4年目の10年に「ソルフェリーノの夜明け」で新人公演初主演を果たすと、順調にスターへの階段を上った。近年ではめずらしく組替えをすることなく21年4月にトップスターに就任。雪組としては11年ぶりに誕生した生え抜きトップだった。

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