寺島しのぶ 初の歌舞伎座本興行出演「腹をくくる。覚悟はある」 脚本&演出は山田洋次監督

[ 2023年9月12日 04:55 ]

「錦秋十月大歌舞伎」の制作会見に出席した(左から)寺島しのぶ、中村獅童、山田洋次監督
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 女優の寺島しのぶ(50)が11日、都内で「錦秋十月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座、10月2~25日)の取材会に出席した。自身初の歌舞伎本興行への出演で、歌舞伎座の舞台で演技をするのも初めて。「稽古が始まったら腹をくくる。覚悟はある」と並々ならぬ気合をのぞかせた。

 寺島は昼の部「文七元結物語」で中村獅童(50)と夫婦役を演じる。三遊亭圓朝の人情噺(ばなし)を歌舞伎化した作品で、過去には寺島の父・尾上菊五郎(80)らが演じてきた。今回は映画監督の山田洋次氏(91)が新たな構想で脚本と演出を務める。

 134年の歌舞伎座の歴史で、成人女性が舞台に立った例はごくわずか。企画は昨年4月ごろに立ち上がり、山田氏と獅童が会話する中で共演相手に寺島の名前が浮上した。獅童は「(過去に寺島が)自分が男だったら歌舞伎をやりたかったと話してくれた。その言葉も僕の中にあって、しのぶちゃんと歌舞伎座でお芝居できたらなと思った」とその背景を明かした。

 寺島自身、梨園に生まれながらも女性であるために歌舞伎俳優になれず、悔しい思いをしてきた。それだけに特別な思いが詰まった場所。「“歌舞伎座の怪人”がいると思っている。久しぶりに女性が舞台を踏んで意地悪されちゃったら嫌だな。出てみないと分からない」と不安も吐露。それでも「今からワクワクしています。精いっぱい頑張るつもりです」と力を込めた。

 会見では幼なじみの獅童と共に丁々発止のやりとりで笑わせる場面も。寺島が山田氏に直談判して脚本を変更してもらったためまだ稽古に入れていないといい、獅童が「誰かが台本を直してほしいと言ったみたいで…」とポツリ。寺島も「どなたなんでしょう?」ととぼけてみせた。そんな息の合った2人のやりとりを眺めていた山田氏も「お二人に夫婦を演じていただけて良かった」と満足げな表情を浮かべていた。

 ≪過去に水谷八重子ら≫ 過去には初代水谷八重子や山田五十鈴さんらが女優として歌舞伎座の舞台に立ってきた歴史がある。松竹の山根成之副社長は、女性が同劇場で演技をすることについて「これまでも先人たちが、いろいろなことにチャレンジし、必要に応じてさまざまな方が出てきた。歌舞伎は進化していくもの。何かを否定するということはなく、必要があればその時々に出ていただく」と見解を語った。

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