桂米団治 5月に死去の上岡龍太郎さん偲ぶ「特有の美学を持ったまま行かれた」

[ 2023年6月15日 16:20 ]

「勧進帳」の一説を披露しながら「桂米団治独演会」をPRする桂米団治
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 落語家の桂米団治(64)は15日、大阪市内で「桂米団治独演会」(7月9日、大阪サンケイホールブリーゼ)の取材会に出席した。

 6月初めに新型コロナウイルスに初感染して、延期していた発表会見。実は感染する前の5月初め頃からノドに違和感を感じていたそうで、ここ3週間ほど大好きな酒をやめ、ノドのケアに努めている。「落語の艶や味わいは年齢を重ねる良さがあるが、体力的には衰えを感じます。天からの啓示でしょうか。無理をするなということ」と自らを戒めた。

 もちろん、仕事の手を緩めるわけではない。独演会では師匠で、人間国宝で父の桂米朝さんが復活させた「稲荷俥」と「崇徳院」を演じ、中入り後は仕方噺「勧進帳」を披露する。仕方噺とは身ぶり、手ぶりをまじえてする落語のこと。笛は桂米輝(38)、三味線は浅野美希(51)が担当する。

 「歌舞伎を1時間見ても勧進帳のストーリーが全く分からない方が多い。丁寧に説明を入れて、お客様にも感動がよく分かるように」と説明的な部分を多く取り入れ、前半部分は喋りを多くして通常より長い40分バージョンで演じる。源義経、武蔵坊弁慶、富樫の1人三役。米朝さんに弟子入りした頃、お酒が入ると勧進帳の富樫を始め出す師匠のおかげで「弁慶のセリフを覚えた」。また、5月に亡くなった上岡龍太郎さんとも小米朝時代の95年12月に共演したお題目。「上岡さんを憧れのように追いかけてた。引退して23年。潔いいなと。上岡さん特有の美学を持ったままあの世へ行かれた」と故人を偲んだ。

 芸歴45周年の今回、「集大成に」とひとつの区切りをつける決意も。「終わったらまずは断捨離です。(2年後に)米朝生誕100年を迎えます。あれもこれもと1人で抱え込むのはしんどい。そぎ落とす。整理して、残っているものを、何か見えてくるものを極めたい」と言う。

 先日出演した俳優・松平健(69)が主演の舞台「五月薫風特別公演」(大阪・新歌舞伎座)では歌謡ショーにも参加し、マツケンサンバを踊って歌った。「楽しかった。ストレス解消になりました」とニンマリ。「マツケンサンバのように楽しめたら。お客様も演者も楽しめる高座を目指したい」と決意を表した。

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