俳優座劇場 2025年閉館へ 戦後の新劇ブームけん引も「収支が厳しくなった」

[ 2023年6月15日 05:30 ]

2025年4月で閉館することが決まった俳優座劇場
Photo By 共同

 1954年に開場し、戦後の新劇ブームをけん引した東京・六本木の「俳優座劇場」が、2025年4月末で閉館することが14日分かった。

 劇場は演出家の千田是也さん、俳優の東野英治郎さんらが立ち上げた劇団俳優座の創立10周年を記念して54年4月に建設。同年の俳優座、文学座、民芸による3劇団合同公演「かもめ」では、各劇団から東山千栄子さん、杉村春子さん、滝沢修さんらスターがそろい踏みし話題になった。小沢栄太郎さん、平幹二朗さん、市原悦子さんらが舞台に立ち、仲代達矢(90)、前田吟(79)、栗原小巻(78)ら映画・テレビで活躍する俳優が巣立っていった。

 運営会社の株式会社俳優座劇場の担当者は「続けていきたかったが、ビル自体の老朽化で設備の修繕費がかかるなどし、収支が厳しくなった」と話している。

 ▼前田吟(劇団俳優座養成所15期生)今から60年前、19歳の時、俳優座劇場で入学式が行われました。15期生が一人一人舞台に上がり、上級生から“いじられる”という変わった入学式でした。私は最後に舞台に上がりしゃべり始めますと、お前は落語家の息子か?来るところを間違えたんじゃないのか?とヤジられました。それから60年、ヤジで言われた通りに新劇には行かず映画俳優になってしまいましたが原点は舞台と思っております。私の唯一自慢の俳優座劇場がなくなってしまうなんて。15期生の仲間たちもそうですが、積み木が崩れていくようで大変つらいです。

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