【鎌倉殿の13人 秘話5】吉田監督の挑戦 一体感生んだ初回ワンカット長回し CG?絵画のような17話
「鎌倉殿の13人」最終週インタビュー(5)チーフ演出・吉田照幸監督
Photo By 提供写真
脚本・三谷幸喜氏(61)と主演・小栗旬(39)がタッグを組み、視聴者に驚きをもたらし続けたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は今月18日、ついに最終回(第48回)を迎える。最終週インタビュー第5回はチーフ演出の吉田照幸監督。数々のチャレンジをし続けた撮影の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。最終回は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」が描かれる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河出演8作目にして初主演に挑んだ。
吉田監督は全48回のうち、最多17回を担当。源平合戦の最終決戦「壇ノ浦の戦い」を活写した第18回「壇ノ浦で舞った男」(5月8日)、「曽我兄弟の仇討ち」(曽我事件)で大規模ロケを敢行した第23回「狩りと獲物」(6月12日)、源頼朝(大泉洋)落馬時のそれぞれを映し出した第25回「天が望んだ男」(6月26日)、風雨に打たれながら阿野全成(新納慎也)が唱えた最期の呪文をCGなしで撮り切った第30回「全成の確率」(8月7日)、和田義盛(横田栄司)の壮絶な最期を残酷なまでに描き切った第41回「義盛、お前に罪はない」(10月30日)などを演出したが、最も印象に残る回の1つは意外や、第1回「大いなる小競り合い」(1月9日)の一見“何気ない”シーンだった。
北条宗時(片岡愛之助)が頼朝を北条館に匿っている。政子(小池栄子)は頼朝に一目惚れ。その様子を実衣(宮澤エマ)が盗み聞きしていた。
頼朝のために八重(新垣結衣)と千鶴丸を連れてくるべく、伊東館へ向かおうとしている宗時を義時が呼び止める。宗時は「(そのことを父に)おまえ、言っといてくれ」。そこへ実衣が現れ「姉上、(頼朝に)ぞっこん」。宗時が喜ぶ中、今度は仁田忠常(ティモンディ高岸宏行)が現れ「(頼朝の命を狙う)伊東祐親殿(浅野和之)がお見えです」。義時は「ああ…まずいなあ…どんどんまずぐなっていく」。縁側に座ると、北条時政(坂東彌十郎)は「あの工藤(祐経、我が家・坪倉由幸)って奴は、面倒くせえ男だなあ」。時政と頼朝が鉢合わせしそうになると、義時は「父上!」「しらみ…ではないですか」と時政の気をそらし、頼朝はスルリと移動。時政は厠へ向かった。
オンエア上はドラマ開始24分頃から約2分。周囲に振り回される序盤の義時の“原点”とも言えるシーンだが、カットを割らずワンカット長回しを用いた。
吉田監督は「台本上、特にワンカットの指定はなかったんですけど、『今までの大河ドラマとは違うものにしたい』という狙いがありました。ならば初回に、その宣言をしようと。長回しは、キャスト・スタッフの呼吸が合わないとできない手法です。OKが出た時は盛り上がりました!また時代劇でも『ここまでトライしてOK』という意思表示でもありました。このシーンが成立したことで『あ、これはいけるかも』と感じた瞬間でした」と1年半の長丁場を乗り切る一体感が生まれた収録を振り返った。
第13回「幼なじみの絆」(4月3日)も脳裏に焼き付いている。
木曽義仲(青木崇高)との会談を終えた義時が江間に帰ると、八重に追い出される頼朝を目撃。義時は事情を聞かず「私と八重さんは幼なじみ。私の想いは、あの頃からずーっと変わりません。私はそれを大事にしたい」「八重さんはどうか、ここにいてください。あなたはやっぱり、伊豆の景色がよく似合う。伊東の館に紫陽花を届けたあの日から、ずっとそう思っておりました」などと一途な想いを打ち明けた。
八重の「小四郎殿、お役目、ご苦労さまでございました。お帰りなさいませ」に、義時は「ただいま、帰りました」と男泣きした。
映像・照明・音声などの切り替えを行うスタジオの副調整室で見守っていた吉田監督はもらい泣き。「泣きの芝居はある種、冷静な自分がいたりしますが、先日、小栗さんが『あの涙は久しぶりに自分をコントロールできなくなって』とおっしゃっていて。自分でもどこに行くか分からないような感情になった、と。小栗さんのお話を聞いて『ああ、あれはライブだったんだな。だから、僕も泣けてしまったんだな』と思いましたね。僕も副調で泣くことはあまりないんですけど」と述懐した。
画として思い出深いのは第17回「助命と宿命」(5月1日)、源義高(市川染五郎)を討ち取り、本来は手柄をあげたはずだった藤内光澄(長尾卓磨)への処罰を命じられた義時が実行したシーン。紅葉が積もる森の中、光澄は「なぜだ…。なぜだー!」と絶叫し、斬首された。残酷な場面ながら、ロングショットが美しい。
「絵画のようにハマりすぎていたので、CGと思っている方もいらっしゃるんですが、静岡県内の湖でロケをしました。義時が覚悟を決める大事なところなので、印象的に撮りたいですよね。普通なら義時の顔のアップで『今ここで覚悟を決めました』という感じにすることが多いと思います。もちろん、それがふさわしいこともありますが、しかし、ここではもっと虚無というか、乾いた感情が義時にはあると感じていました。なのでロングショットで客観的に見せることでそれを表現し、視聴者の方には、義時はどんな顔をしているんだろう、と潜在的に惹きつける狙いで映像設計しました。カメラマンも絶妙なワークで表現してくれて、素晴らしい映像となりました。日曜日の8時なので、何かをしながら見る人が多いと思います。だからアップや説明が多くなるの仕方がないのですが、それでもこういった挑戦的かつ人が気づかない潜在的な演出で、のめり込んでほしいと『鎌倉殿の13人』では取り組んできました。話題にされることも多い『鎌倉殿』は、三谷さんの脚本が素晴らしいのはもちろんありますが、その上でキャストのライブ感あふれる芝居、スタッフの新しさを求めたクリエイティブも力を与えていた、とだけは言わせてください(笑)」
◇吉田 照幸(よしだ・てるゆき)1993年、NHK入局。広島放送局などを経て、2004年、ドラマ形式のコント番組「サラリーマンNEO」を企画・演出。シリーズ化・映画化の大ヒットとなった。朝ドラは13年前期「あまちゃん」で初演出、20年前期「エール」でチーフ演出・共同脚本を務めた。他の代表作にコント番組「となりのシムラ」「志村けん in 探偵佐平60歳」、ドラマ「獄門島」「悪魔が来りて笛を吹く」「八つ墓村」、映画「探偵はBARにいる3」など。大河ドラマに携わるのも時代劇も今回が初。
=最終週インタビュー(6)に続く=
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