【前回の鎌倉殿の13人】第31話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「比企際の鎧 能員の夢幻」

[ 2022年8月21日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第31話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「比企際の鎧 能員の夢幻」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は21日、第32話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第31話(8月14日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第31話は「諦めの悪い男」。2代鎌倉殿・源頼家(金子大地)の後継者をめぐり、激しさを増す北条と比企の争い。比企能員(佐藤二朗)は娘・せつ(山谷花純)が産んだ頼家の長男・一幡(相澤壮太)を推し、早々に朝廷の許しを得ようと躍起になるが、大江広元(栗原英雄)らは取り合わない。一方、北条義時(小栗)は比企の動向を探るよう妻・比奈(堀田真由)に頼み、三浦義村(山本耕史)にも相談を持ち掛ける。そんな中、政子(小池栄子)のもとに北条時政(坂東彌十郎)りく(宮沢りえ)夫妻らが集まり…という展開。

 義時と時政は関東・関西の統治権交渉をめぐり、能員に和議を申し入れての騙し討ちを謀った。

 時政「待っておったぞ、能員」

 能員「何のつもりじゃ。(北条方に取り囲まれ)帰る。(仁田忠常が立ちはだかり)ふう~。見て分からんか。丸腰じゃ」

 時政「そのようじゃな」

 能員「おまえも坂東武者の端くれならば、わしを斬ればどうなるか」

 時政「おまえさんは坂東生まれじゃねぇから分からねぇだろうが、坂東武者ってのはな、勝つためには何でもするんだ。名前に傷がつくぐれぇ、屁でもねぇさ」

 能員「ん~。わしの身に何かあれば、三浦も立つ」

 義村「(義時がふすまを開き、能員は天を仰ぐ)三浦を見くびってもらっちゃ困るな。北条とは2代にわたって、刎頸の交わりよ」

 義時「比企能員、謀反の罪で討ち取る」

 仁田忠常(ティモンディ高岸宏行)が斬りつけると、能員は「斬りおった…斬りおった…斬りおったー!斬りおったー!いーったぁ、いーったぁ!」と絶叫。義時たちが呆気に取られた一瞬の隙を突いて庭へ。捕まると、実は鎧を着込んでいた。

 能員「あー、やれやれ」

 時政「その思い切りの悪さが、わしらの命運を分けたんじゃ。北条は(頼朝の)挙兵に加わり、比企は二の足を踏んだ(能員のアゴに扇子)」

 能員「我が比企一門を、取るに足らん伊豆の小者と一緒にするな!守るものが…守るものが違ったのよ」

 時政「ガタガタほざくな!(とビンタ)」

 能員「アハハハハハ!アハハー!あぁーっ!北条は、策を選ばぬだけのこと。そのおぞましい悪名は、永劫消えまいぞ」

 義時「殺れ」

 忠常が斬首した。

 今回の“大河絵”は武士の頂に立つ夢を描き“比企(引き)際”が悪かった能員の最期、坂東武者のルール無用さを発揮した時政を1枚にまとめた。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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