「ドライブ・マイ・カー」興収10億円視野 アカデミー賞効果で右肩上がり

[ 2022年3月30日 05:30 ]

「ドライブ・マイ・カー」で第94回米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督(ロイター)

 第94回アカデミー賞で「ドライブ・マイ・カー」が日本映画として13年ぶりの国際長編映画賞(旧外国語映画賞)を受賞して一夜明けた28日(日本時間29日)、濱口竜介監督(43)と西島秀俊(50)、岡田将生(32)、霧島れいか(49)の出演者は帰国の途に就いた。授賞式終了後に祝賀パーティーに出席。日本メディア向けの会見を行った後で解散となり、それぞれ休息に充てたという。配給会社では、帰国後に濱口監督らのスケジュールを確認した上で凱旋会見に向けて調整している。

 一方、配給会社には受賞後も興行会社から上映要請の連絡が絶えず、上映館数は29日時点で407館にまで拡大。昨年8月の公開時(115館)の約3・5倍に膨れ上がった。興収も年明けの受賞ラッシュが始まってからはほぼ右肩上がりを続けており、27日までに8億8889万円を記録。今回のオスカー効果により、さらに動員が伸びることは確実で、全国展開作品のヒットの目安となる10億円を射程にとらえた。

 《「赤い車」に注目》「ドライブ・マイ・カー」の作品中に登場するスウェーデンの自動車「サーブ900」が注目されている。運転手役の三浦透子が運転し「陰の主役」のような存在感を放った赤い車だ。サーブは航空機メーカーを起源に持つ自動車ブランド。「900」は1970年代末~90年代まで販売された。日本でも人気を集めたが、販売は低迷し、2017年にブランドは消滅した。中古車販売関係者によると、現在は流通している台数が少なく「数年待ちも」という希少な車。村上春樹氏の原作小説では黄色だったが、映画では赤に変更。その理由を濱口竜介監督は「黄色は意外と風景に埋もれる」からだと雑誌の対談で明かしている。

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2022年3月30日のニュース