発電所一部停止&寒さのダブルパンチが原因 初の発出「電力需給ひっ迫警報」とは?

[ 2022年3月22日 18:47 ]

 東京電力、東北電力の管内で22日、初の「電力需給ひっ迫警報」が出された。早ければ午後8時にも電力が不足し、大規模停電が起こる可能性が懸念されている。生活の屋台骨を支える電力の危機を知らせるこの警報の仕組みや、制定の背景についてまとめた。

 電力需給ひっ迫警報は、供給電力に対し、使用電力が97%を超えた場合に政府が発令する。電力会社が安定した電力供給を行うには、最低でも3%の予備率を残さなければいけないため。通常、使用電力が100%を超えた際は、発電所の上部の貯水池から、下部の貯水池へ水を流すことによって発電する「揚水発電」で不足分を補う。それでも電力不足が解消されない場合は、大規模停電を避けるため、計画停電を実施する。今回は東京電力管内で、電力使用率が14時台に107%まで上がった。揚水発電用の水が間もなく底をつくため、今回は計画停電ではなく、突発停電が起こる可能性が懸念されている。

 今回の電力ひっ迫は、16日の福島県沖地震で一部の火力発電所が停止したことに加え、寒さの影響で暖房などで想定以上の電力需要が発生したために起きた。警報の対象地域は青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、静岡(東部)の16都県。

 電力需給ひっ迫警報は、11年の東日本大震災後に計画停電を実施した教訓をもとに制定された。12年の制定以来、発出されたのは今回が初めてとなる。

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2022年3月22日のニュース