「おかえりモネ」効果も?気象予報士試験の申請者数増 10年半ぶり4800人超 コロナ禍の影響に加え

[ 2022年1月29日 08:00 ]

連続テレビ小説「おかえりモネ」のヒロインを務めた清原果耶(C)NHK
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 今月30日に行われる「令和3年度第2回(通算第57回)気象予報士試験」の受験申請者数が4829人に上った。昨年8月の前回4117人から約700人増。4800人超えは2011年8月(第36回)の4836人以来、約10年半ぶりとなった。申請者数が増えた背景には、コロナ禍のため資格全般への関心が高まったことや、気象予報士のヒロインを描いた昨年前期のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の影響もあるとみられる。

 気象予報士は国家資格の1つ。学科試験は一般知識(大気の構造、降水過程など)と専門知識(観測の成果の利用、予想の精度の評価など)の2科目があり、マークシート形式。実技試験(局地的な気象の予報、台風などの緊急時における対応)は記述形式。年2回実施され、合格率は5%前後と狭き門として知られる。

 女優の清原果耶がヒロインを務めた「おかえりモネ」は朝ドラ通算104作目。清原とタッグを組んだNHK「透明なゆりかご」やテレビ東京「きのう何食べた?」などで知られる安達奈緒子氏が朝ドラ脚本に初挑戦し、オリジナル作品を繊細に紡ぎ上げた。タイトルにある「モネ」は主人公・永浦百音(ももね)の愛称。1995年に宮城県気仙沼市に生まれ、森の町・登米(とめ)で青春を送るヒロイン・百音が気象予報士の資格を取得し、上京。積み重ねた経験や身につけた技術を生かし、故郷の役に立ちたいと奮闘する姿を丹念に描き上げた。

 百音は東京のテレビ局の気象キャスターとして活躍。地域密着型の気象予報士を目指し、気仙沼に戻った。

 気象予報士試験の申請者数は17年以降、3200~3300人で推移。20年1月(第53回)が3463人、20年8月(第54回)が3583人、21年1月(第55回)が3656人と徐々に増加。21年8月(第56回)は4117人と、13年8月(第40回)の4112人以来8年ぶりに“大台”を突破した。

 気象業務支援センター試験部によると、申請者数が増えた明確は要因は不明ながら、コロナ禍により在宅時間が長くなったため勉強の時間が取れるようになり、気象予報士に限らず、手に職をつけたいと資格全般に対する関心が高まったという。それに加え「おかえりモネ」は昨年5~10月に放送。反響を呼んだ半年間のオンエアの終了後に受験申請(11月15日~12月3日)が始まったことも影響したとみられる。

 「おかえりモネ」はNHKオンデマンドで配信中(https://www.nhk-ondemand.jp)。

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